「ナオミ・ワッツは悪くない!」ダイアナ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
ナオミ・ワッツは悪くない!
1997年に事故死したダイアナ元英皇太子妃の伝記映画。
話題作ではあったが、いざ公開したら…。
見れば納得。せっかくダイアナという世界中で愛された人を題材にしたのに、彼女の知られざる恋に焦点を当てた安いゴシップ記事みたいな映画に…。
どうして、彼女の人間としての魅力を掘り下げた映画にしようと思わなかったのかなぁ…??
そっちで見たかった。
これじゃあダイアナさんも浮かばれない。
ダイアナを演じたナオミ・ワッツがラジー賞主演女優賞ノミネート。
まるで、映画の失敗の全責任をナオミ・ワッツが一人で背負ったような印象だが…、待て待て待て!
彼女は悪くない。むしろ、この映画の唯一の見所はナオミ・ワッツの熱演と言い切っていいほど健闘している。
きっと、誰が演じてもバッシングはあった筈。(ご存知の通り、当初はジェシカ・チャスティンだった)
そんなバッシングにさらされながらも、プリンセスとしての顔と一人の女性としての顔、上品な佇まいからちょっとした仕草まで、ダイアナに成りきったナオミ・ワッツの熱演は、断じてラジー賞レベルではない。
惜しまれるは、内容。
人道支援活動に力を入れる姿も描かれているが、やっぱりどうしても、薄っぺらいメロドラマ寄り。
悲劇のプリンセス=悲恋ストーリーという安易な企画が見え見え。
ナオミ・ワッツはそのままに、無かった事にしてもう一度作り直して欲しい。
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