「愛を求めて苦しんでいた真実のダイアナを描く姿勢には好感だが、普通すぎて魅力的に見えない」ダイアナ Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
愛を求めて苦しんでいた真実のダイアナを描く姿勢には好感だが、普通すぎて魅力的に見えない
オリバー・ヒルシュビーゲル監督による2013年製作のイギリス映画。
原題:Diana、配給:ギャガ。
時節がら、英王室に興味が湧いて視聴も、ダイアナ最後の2年間に絞った内容であった。ケイト・スネル著書『Diana: Her Last Love』にインスパイアされたと、タイトルバックに表示されていた。
離婚も含めて医師の恋人の存在など全く知らないことが多く、興味深くはあった。
ダイアナが車で自由に外に出てたこと。そして、住んでいるお屋敷の警備員が、車体が沈んでいるのを見てハスナット・カーン医師が車内に隠れてると判断してたこと。後半では、彼のダイアナにとっての重要性が認識されたのか、自由に警備員に関門を通されていて面白かった。
ダイアナがドディ・アルファイドとのクルージングでのキスシーン等を、パパラッチのジェイソン・フレーザーに意図的に撮らせていたことには驚愕した。フレーザーの証言も有り、事実らしい。お別れ状態になっていたハスナット・カーンの嫉妬心に火を付け、もう一度よりを戻そうとする作戦だったらしい。方向性は間違っている気もするが、何とも切ない乙女心で、ひたすら電話をかけて返事を待つ姿に、同情を禁じ得なかった。
ダイアナがディスコに行った夜、路上で見かけた男女を見かけて車を降りてのやりとりがあったが、何をしたのか良く分からなかった。いかにも悪の男の方と揉めていた様にも見えたが、ダイアナはいったい何をしたのだろうか、男は麻薬密売員で、女への販売を止めた?
「J・エドガー」のナオミ・ワッツは魅力的であったが、この映画での彼女は、演出及び脚本のせいだと思うが、ダイアナ役としては普通の女性すぎてかなり物足りなかった。まあ、渡辺典子さんによるヘアは素敵で、遠望からの見た目はダイアナにそっくりではあった。
オリバー・ヒルシュビーゲル監督の作品らしく、安易な解釈は排除し、出来るだけ客観的に真実を描こうとする姿勢には好感が持てた。
製作ロバート・バーンスタイン、ダグラス・レイ。製作総指揮マーク・ウーリー ティム・ハスラム、ザビエル・マーチャンド、脚本スティーブン・ジェフリーズ。撮影ライナー・クラウスマン、美術ケイブ・クイン、衣装ジュリアン・デイ、ヘア・メイクアップ渡辺典子、
編集ハンス・フンク、音楽デビッド・ホームズ、 キーフス・シアンシア。
ナオミ・ワッツ(ダイアナ)、ナビーン・アンドリュース(ハスナット・カーン)、ダグラス・ホッジ(ポール・バレル)、ジェラルディン・ジェームズ(ウーナ・トッフォロ)、
チャールズ・エドワーズ(パトリック・ジェフソン)、キャス・アンバード(ドディ・アルファイド)、ジュリエット・スティーブンソン(ソニア)、 ダニエル・ピリー(ジェイソン・フレーザー )。
今晩は
今秋、公開される故、ダイアナ妃のドキュメンタリー作品と特に「スペンサー」は、必見だな、と思っています。
英国では、エリザベス女王の逝去に深い哀しみを持っている方が多いですが(番組、録画して観ました)まさかのこの時期での、ドキュメンタリー映画と「スペンサー」の連続上映。
変な下心なくキチンと鑑賞しようと思っています。では。