「父親ウィルスの感染者?」アンチヴァイラル いちごだいふくもちさんの映画レビュー(感想・評価)
父親ウィルスの感染者?
鬼才デイヴィッド・クローネンバーグ監督の長男ブランドン・クローネンバーグの長編初監督作!
意味不明の世界観、なのに白をベースとした色彩のセンス。そしてなんともグロく肉体的な造物。いやー、父親の初期の作品を観ているような気分じゃないですか!まるで、『ビデオ・ドローム』を観ている感覚。
理解できない?いや、そうなんですクローネンバーグの映画を理解しようとするのが無意味なんです。その血を見事に受け継いでいる。
近未来。世間はセレブのウィルスをお金を出して注射しセレブと同じ病気にかかり苦しみを分かち合うという衝撃的な世界。ウィルスだけではない、セレブ細胞を繁殖させてウインナーを作って売ることまで商売として成り立つ。(ウインナーの不味そうなこと・・・)
絶対、ウィルスを買う人なんていないというレビューを見かけたが、現代でももし合法ならば、私は商売として成り立つのでは?とさえ思ってしまう。世界は広い、色んなマニアの趣味を持つ人が存在するのですから。
なんとも言えない世界観です。でも、観ていて完全に引き込まれました。ウィルスには表情まである。そしてウィルスが氾濫しないためのコピーガードまである。常人が考えれる世界ではありません。
ラストが一番意味不明でしたね。え、ここで終わるの???な感覚。
でも、こんな映画を作れるのはデイヴィッド・クローネンバーグの血を告ぐ者しかいないかもしれません。ブランドン・クローネンバーグは完全に父親ウィルスの感染者でした!
さぁ、あなたはこの世界観についてこれるか!?
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