「俺の女」私の男 羊さんの映画レビュー(感想・評価)
俺の女
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気になっていたものの観るには覚悟が必要だと
何年ものあいだ手をつけられなかった作品
観たいと思ったその日は心がどす黒くて
この作品の情景そのものだったので鑑賞
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そこにあったのは歪んだ愛でした
邪魔な人間には消えてもらわないと
利用できる人間は利用しないと
守るためには手段を選ばない二人がいました
「家族がほしかった」
一般的な家族とは違うかたちの家族
もしかしたら映画だけの話ではないのかも
こういう家族もいるのかも
いろいろな人間がいていろいろな生き方がある
花は結婚して淳悟から離れるけれど
身体を重ねて歪んだ愛を確かめ合うのは
ずっと変わらないのだと思う
花は婚約者のことなんてちっとも愛してなくて
淳悟の生活を守るためにお金と結婚する
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二人のねっとりとした
異様な光景を目の当たりにして
東京に逃げてしまった青葉さん
雪が似合う清楚な美人だったのに
すっかり変わり果てていて衝撃的でした
僕の想像だけど東京に逃げた青葉さんは
二人のことを忘れたくても忘れられず
夜の街で酒と煙草と男に自分を沈めている
だけど青葉さんは淳悟のもとに
花がやって来ても来なくても
結婚できなかっただろうなと思う
「家族がほしい」と思っているのに
淳悟はいつまでもプロポーズをしないから
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自分が最低な両親みたいになりたくなくて
淳悟は結婚に踏み切れなかったのかもしれない…
花とはそういう葛藤や努力をする必要はない
青葉さんよりも楽に家族になれる
遠いけど同じ血が体内に流れているという
生まれながらの宿命がそこにあるから
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