「永遠の愛と現実」私の男 mさんの映画レビュー(感想・評価)
永遠の愛と現実
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あまりの生々しさに息を呑んだ。永遠の愛だと思われたものが、現実を前にゆっくりと壊れていく。
この物語でふたりは共犯になる。しかも、主犯は花だ。花の真っ直ぐな愛情によって人生を歪められていく淳悟。言葉通り「私の男」になったのだとラストシーンで感じた。
以下ネタバレ注意
私は個人的に、あれだけ純情で綺麗な少女だった花が、東京シーンでは化粧をし、どこにでもいる美しい女に成り果てていたのが印象的だった。
前半で花の気持ちに共感していた私にとって、後半は苦しかった。こんなに愛し合っているのに、どうしようもない現実が寝そべるばかりで痛くて苦しい。
特に残ったセリフは、「小さい時はあの人のことなんだってわかったんです。でも、ちっともわからなくなった。子供だったんですね、私たち」という花のセリフ。あんなに悲しい愛のセリフが他にあるだろうか?
そして「俺は親父になりたいんだよ」という淳悟のセリフ。終盤では全く違う意味に聞こえてあまりにも苦しい。
ふたりの愛って一体なんだったんだろう。どこに着地すればよかったんだろう。そんなことをずっと考えてしまう映画。私はとても好き。
あと二階堂ふみさんの声が癖になる。子供っぽさのあるあの声が花にぴったりで、素敵だった。浅野忠信さんは目元も行為もセクシーさが溢れてます。是非。
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