「ふみちゃんワンダーランド」私の男 Chisaさんの映画レビュー(感想・評価)
ふみちゃんワンダーランド
家族というものを知らずに育ち、それでも互いに家族になろうと必死で模索する2人の姿に共感しかなかった。成功例を知らずに理想を追い求めるのって本当に大変よね。どこを目指せばいいのかも、いま自分が向かっている方向が正しいのかもわからないわけだし。
まぁでも幸せな家庭に育った人が漏れなく幸せな家庭を築けるかっつーとそうでもないっつー話もあるけど。
二階堂ふみが好きなんだけどすこぶる美しかったー。「ヒミズ」でもそうだったけど、ちょっと舌足らずで、既存の人間関係を揉みくちゃにして、グサッとくるセリフを底抜けに明るい表情で飄々と言ってのける。不健全で、ぶっ飛んでて好き。
顔は宮崎あおいにやっぱり似ている。でもこういうじっとり暗めな映画は二階堂ふみの方が似合う気がする。暗闇の中からこっちを見つめてちょっとずつズームインしてって欲しい...
「ニュー・シネマ・パラダイス」「チョコレート・ドーナツ」「私の男」なんかを観ていて思ったのは、他人の子によくそこまで愛を注げるよね...っていう。映画だとだいたい冒頭で出会って、なんやかんやあって結構すぐ受け入れる展開になる。その決断力の源泉って何なんだろう。不憫な子だから、っていう同情だけで決められるほど、他人と家族同然の関係を築くのって簡単な話じゃない。実子だって大変なのにさ。
自分の子と、仲良い友達の子しか可愛いと思わない私は、いい映画だなぁと思いつつ、毎回その辺の感覚にちょっとついていきにくい感じがあるのでした。
年の差恋愛映画では「男の一生」の方が好き。
コメントする