「「私の男」を観て・・」私の男 Ryoichiさんの映画レビュー(感想・評価)
「私の男」を観て・・
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桜庭一樹の直木賞受賞の小説を映画化したもの。小説を先に読んだ。親子の禁断の愛、近親相姦をテーマにしているせいか、感想は賛否両論のようだ。映画では、浅野忠信、二階堂ふみの共演。父親「淳悟」とその娘「花」を演じる。
ここからはネタバレになるかも・・
奥尻島の震災で孤児となった10歳の花を若い淳悟が引き取る。そして徐々に愛情に飢えた親子が求め合うように・・
この作品で印象的だったのは、オホーツク海に浮かぶ流氷の上で、藤竜也が演じる親戚の大塩さんが「世の中には越えてはならぬ一線がある」と言い、それに答えて花が「親子の間で許されない事なんて、この世にあるの?」と叫ぶシーンだ。大塩さんは冷たい北の海に流され、親子は北海道を離れて東京に向かった。親子の禁断の愛は、殺人事件にまで発展してどこまでも悲しい。
映画では、赤い血液のような液体に濡れながら二人はお互いに求め合う。
この作品について嫌悪感で受け付けないか、文学として主人公に感情移入出来るかは観る人によって異なると思う。
小説は花の結婚式から遡るが、映画では震災からの時系列。
個人的には、優れた文学作品の映画化だと感じる・・
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