劇場公開日 2014年4月25日

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「理想の"スパイダーマン"映画」アメイジング・スパイダーマン2 NandSさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5理想の"スパイダーマン"映画

2023年11月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館、VOD

悲しい

興奮

幸せ

前提として
・2回目(1回目は映画館で。)
・前作『アメイジング・スパイダーマン』は視聴済。
・マーク・ウェブ監督の他作品だと『アメイジング・スパイダーマン』以外は未視聴。
・原作と思しき作品は一部読後。

観たかったスパイダーマンってこういうやつ!

前作からかなり明るくなった本作。多分、色々な試行錯誤があったのでしょう。冒頭のスイングから、変化が随所にみられます。

まずはNYの市民と警察消防関係人たちの信頼。そこにスパイディのスイング。コミック調の明るいスーツにウィットな軽口。そしてヒロイックな音楽。もうこの時点でテンション爆上がりです。
後々のPS4,PS5のゲーム版『スパイダーマン』を彷彿とさせる、この気持ちよさ。そして悪人をウェブで絡めとり、高校の卒業式に遅刻し、それでもグウェンとの恋愛を楽しみ、いじめられている子供を助け、市民のすぐそばで人助けしてくれる……こういうスパイダーマンが観たかった!あぁ、気持ちいいぐらいにヒーローしてるぅ! でもそれが事件を生むんですよねぇ……知ってます。

本作の敵はエレクトロことマックス。それとグリーンゴブリンことハリー・オズボーン。そう、あのハリーです。ライノもいるけど、おまけ程度なのであまり期待せず。宣伝でめっちゃ推してたけどね。
マックスのこじらせ具合が良い。いい感じに気持ち悪い。もしかしたらピーターよりオタクしていたかもしれません。それもそのはずで、異常なぐらいに承認欲求に飢えているキャラクターなのです。さらに事故で化け物になるという追い打ち。今作の被害者の一人。悪いのは大体オズボーン社。
そしてハリー。めっっっっちゃ繊細で神経質そうな感じがいい。しかも死に直結する持病持ちとくる。毎日が綱渡りな感じがたまらない。サム・ライミ版と同じく、ピーター=スパイダーマンに劣情と恨みを抱いていき、やがてとんでもない事件を起こします。原作知っている人なら想像つくと思う。

大事な要素として描かれているのは、ピーターとグウェンの関係性。ここも前回より大きく変化。相変わらず、強く賢く、しかも可愛い女性として描かれているグウェン。今作はピーターがへなへなしてしまうので、その対比がもどかしい。中盤に下したピーターの決断。そして二人の愛の行方。今作の一番の見どころはここ。
前作で、もやっとした人もいるでしょう、ジョージ(グウェンの父)との約束。これにもしっかり納得のいく答えを出しています。しかもこれが終盤まで影響するのだから、キッツイ。てか怖い。

ピーター、人生の岐路に立たされた彼の苦悩とか再起とか、それが目一杯楽しめます。言っちゃ悪いけど、苦しむピーターが大好物なんだ。もっと苦しんでくれ。そして立ち上がってくれ。

他の人物、例えばメイおばさんも健在。お互いに言えない秘密を抱える中でのケンカシーンはすごい好き。そうそう、親子ってこんな感じ。そして父親の手がかり。良いんですよ……見つけるタイミングも。

多分、前作のテーマであろう「大いなる"秘密"には、大いなる責任が伴う」を残しつつ、「大いなる"力"には、大いなる責任が伴う」に変化していったのも好印象。

アクション面は相変わらずのかっこよさ。いやむしろパワーアップしたか?! 前作より知能指数の高い戦い方してくれます。楽しい。
音楽めっちゃ良い。ボルテージがバンバンアガる。ヒロイックなスイングシーン、エレクトロのロックで他責的なぶっ壊れ感、そして戦闘シーンとのリミックス。あぁ、楽しい。
衣装とかスパイディのコスチューム、ヴィランのデザイン、全てがカッコいい。オーバーテクノロジー系が好きな人にはぶっ刺さるはず。もちろんスパイディのコスチュームは原作ファンにもたまらないはず。

謎に写真要素も健在。別になくてもいいんだけど、遊び要素ぐらいに留めているので良しとするか。JJJとかね。
上記みたいに、もちろん気になるところだってある。この事件全体がピーターの引き起こしたことなんじゃね?っていう皮肉とか(これは好みの問題)、ライノの照明の当たり方が気になったりとか、シニスターシックス要素そんな要らんかっただろう、とか……

でも、ストーリー、演出、音楽、衣装およびコスチューム、キャラクターの関係性、そしてラスト、全てが好きだから推します!
あぁ、やっぱり観れて良かった!!続編作ってほしかったよ!!
スパイディファンにおすすめ!!そんな作品。

NandS