「終わらないで欲しかった」アメイジング・スパイダーマン2 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
終わらないで欲しかった
"アメイジング・スパイダーマン" シリーズ第2作。
"金曜ロードSHOW!" で3回目の鑑賞。
原作コミックは未読。
低予算を売りにしていた前作とは違って、VFXが爆裂するアクション大作に変貌していました。なんとも嬉しい限りでございました。やっぱこうでなくっちゃね!
ハリー・オズボーンが満を持しての登場です。演じるは若手有望株俳優のデイン・デハーン。狂気に堕ちていく役を演じさせたら彼の右に出る者はいないんじゃないかと思いました。
ピーターとの間に生じた亀裂がグリーン・ゴブリン誕生の引き金となりました。病気のせいか、顔色も悪くなるし、なんとも悲惨。展開の悲劇性が前三部作の比ではありません。
グリーン・ゴブリンだけじゃなく、エレクトロ、ライノと云った強敵が次々に立ちはだかり、スパイダーマン絶体絶命のピンチ。ヴィラン総進撃と云った感じでワクワクしました。
エレクトロも印象的なキャラクターでした。スパイダーマンに心酔している冴えない中年男性が憧れを拗らせた挙げ句、超高圧電流を浴びたことで怪人になってしまいました。
力を得たことで増長し、スパイダーマンを殺そうと姑息な手段で彼を翻弄しました。ジェイミー・フォックスが変貌していく男を繊細な演技で表現していて、引き込まれました。
本作の敵は全て、スパイダーマンがいなければ生まれなかったと言えます。彼の苦悩や如何ばかり。「大きな力には大いなる責任が伴う」の意味を掘り下げたストーリーが胸を打つ。
クライマックスの変電所バトルの迫力と言ったら。エレクトロ、グリーン・ゴブリンと戦うスパイディがカッコいい。
その先に待ち受けていた悲劇は全く予想していなかったので呆然唖然。「どうせ生き返るんでしょ?」。それも大外れ。
意気消沈のピーターがヒーローとして再び立ち上がるまでの過程は、それだけで一本の映画になり得るのではないかと思うくらい、もう少し時間を掛けて描いて欲しいテーマでした。
ライノは完全に添え物扱いの感が否めず。マンホールの蓋で無事にやっつけられていることを祈るばかりです。
ところが、スパイダーマンがマーベル・シネマティック・ユニバースに参戦することが決まり、シリーズは本作をもって打ち切られることになりました。またもや呆然唖然。
両親の死に関する伏線を散りばめていたし、悲劇を乗り越えたピーターがこれからどうスパイダーマンとして活動していくのかが気になるだけに、嬉しい反面、残念に思いました。
※リライト(2021/07/06)
※修正(2024/05/15)
コメントありがとうございます。
本当に、終わって欲しくなかったです。
ゴンベッザさんの仰る通り、何らかの形で物語に決着を付けてから、「MCU」に移行するなりしてもらいたかったです。
「MCU」にスパイダーマンが参戦してくれたことは嬉しいですが、後々の展開で非常にエモーショナルな人間ドラマが期待できそうだっただけに、もうちょっと遅らせても良かったんじゃないかなと思う今日この頃です(笑)
あなたのような思い出しレビューされてる方が居て良かった、、、
僕もアメスパ大好きです、特に2は。
いつか3の続編、もしくは脚本を小説に落とし込んででも良いからガーフィールド版スパイダーマンのその後が観たいです。