「家族の一人で、一人の友だった。そして、ブルース・リーだった」李小龍(ブルース・リー) マイブラザー 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5家族の一人で、一人の友だった。そして、ブルース・リーだった

2018年5月22日
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鑑賞方法:DVD/BD

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伝説のスター、ブルース・リー。
彼の半生を知られざる若かりし頃のエピソードをメインに、実弟ロバート・リーの製作総指揮・監修で描いた伝記ドラマ。

ブルース・リーの伝記映画と言うと、その昔『ドラゴン ブルース・リー物語』や近年も伝説の戦いを描いた『バース・オブ・ザ・ドラゴン』などがあり、いずれもアクション映画の印象がある。ちなみに、彼の師匠イップ・マンの伝記映画も然り。
本作もイギリス人ボクサーとの対決他アクション・シーンもあるにはあるが、人間ドラマ主体。
渡米する前、世界的スターになる前の逸話は、身内の視点ならでは。

成長してビッグマウスで有名だが、幼少時もガキ大将。
役者だった父の影響から、子役として活躍。人気者。この子役時代に出演した映画の再現撮影は知ってる人には堪らないだろう。
ダンスが得意、自転車に乗れない、イップ・マンに弟子入りなど、聞いた事のある、知ってるエピソードも。
では、知られざるエピソードとは…?

彼にも初恋が。あのブルース・リーが、憧れの女性の前では不器用でしどろもどろ。
親友とやんちゃに遊ぶ。映像がノスタルジックな青春グラフィティ風。
その親友と恋愛関係でぎくしゃく。
さらにその親友がアヘンに溺れ、リー自身、人生で最も辛く悲しい結末に…。
厳しい父、優しい母。明るく楽しい家族。が、日本やイギリスに苦しめられた過去が。
そして、ある理由から渡米を決意…。

身内から見た、身内しか知らない、人間臭く、人間味たっぷり。
弟からの愛情に満ちた眼差しがひしひしと。
家族にとっては、サイフォン。
友人たちにとっては、シウロン。
彼も一人の家族で、一人の友で、そしてブルース・リーだった。

近大