「麦子さんと彩子さん」麦子さんと 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
麦子さんと彩子さん
アニメショップで働く声優志望の麦子。兄と暮らすある日、疎遠だった母が訪ねてくる。
突然兄は出て行き、渋々母と暮らす事に。人のプライバシーに土足で踏み込んでくるわ、目覚まし時計はうるさいわ、何かと気遣ってくるわで、うんざり。
でも、作ってくれたご飯が美味しい。
ある時、些細な事で怒りが爆発、「母親と思った事無いから」と冷たく言い放ってしまう。
その直後、実は末期癌だった母は急死。
納骨の為、麦子は母の故郷を尋ねる…。
ダメ人間を描かせたらピカイチの吉田恵輔監督が、実母への思いを込めた母と娘の物語。
まさか吉田恵輔監督が、こんなにもハートフルな作品を作るとは!
故郷の町でアイドル的人気だった母。
若き日の母に瓜二つの麦子の訪問に、町は大騒ぎ。
母は皆に愛されていた。歌手になるという夢があった。
自分の中で、母の存在が大きくなっていく。
いや、暮らしていた時から少しずつ“母親”を意識し始めてはいた。おそらく、あの朝ご飯の時から。もしかしたら、ずっと。
だけど、口を開けば突き放すような事ばかり。
どんなに冷たくされても、突き飛ばして頭打っても、優しく笑いかける母。
居なくなって初めて分かる。後悔する。
どうして、亡くなった時、兄のように涙を流せなかったんだろう?
どうして、素直になれなかったんだろう?
当たり前のその温もりと存在を。
堀北真希好きの自分にとって、この映画はまさに至福の一時。
90分強、ほぼ全編出ずっぱり。
もう、ただただ見ているだけでもいい。
アニメ声には萌えてまうやろーーー!!
…と、まあ、そんな変態目線はさておき、麦子と若き日の母の一人二役、母への複雑な気持ち、不機嫌だった表情が少しずつほぐれていく様などを実に魅力的に見事に演じていた。
彼女の代表作になる筈。
にしても、やっぱり可愛い〜〜〜。
いい加減な兄に松田龍平、母・彩子に余貴美子、さすがに巧い。余貴美子は序盤だけだが、母の切なさ、哀しさ、優しさを感じさせる。
温水洋一と麻生祐未も好演。特に麻生祐未は、これまた切なさと哀しさと優しさを感じさせるもう一人の母。
かく言う自分も、母へは不器用。
身に染み渡る有り難さ。
吉田恵輔監督らしく、コミカルに描きつつ、チクチク突っつく。
だからこそ余計に、この作品が愛おしい。
劇中アニメの「今ドキッ!同級生」って一体全体どんなアニメなの…??
A型の俺的に・・あんないい加減な人ばかりに囲まれてると・・イラッと来るでしょう。
見てるだけでもイライラしました(笑)。
近大さんて・・
レビュアーランキング上位の大御所さんだったんですね?
失礼いたしました~ヽ(^o^)丿