「いろいろと物足りなく感じた。90分という尺の中で描ききれないものが...」麦子さんと カモシカヤマネさんの映画レビュー(感想・評価)
いろいろと物足りなく感じた。90分という尺の中で描ききれないものが...
いろいろと物足りなく感じた。90分という尺の中で描ききれないものがあまりにも多かったのではないだろうか。もうちょっと深く掘り下げて欲しかった部分が多すぎて、回収しきれていないもやもやが残されたまま、一方的にすっきりした終幕に持ち込まれてしまった。
母の過去の話を故郷の古い友人たちに語らせているが、子供たちと別れたあとの苦しみや再会できたあとの喜び、病を知ってから最期を子供と共に過ごしたいと思うまでの葛藤や喜びなど、まるで表現されていない。たとえ短くても、ここを見せる手法はあったのではないか。
そして母が亡くなる直前の娘との会話が、あまりにも痛く辛い。それを悔いている気持ちを娘が吐露するシーンに深みがないので、母の悲しい想いを想像していたこちら側としては、それだけじゃ済まない、と娘を責める気持ちが湧いてしまう。
けれども娘は娘で話してすっきりしたと言わんばかりに明るい笑顔で終わる。
なんだろう。娘役の役者の演技力の問題なのか、脚本や演出が悪いのか、理由ははっきりしないけど、監督の手腕の物足りなさに、見たいものはこれじゃなかったという気持ちのままエンドロールを見つめていた。
よくあるテーマだからこそ、見せ方は重要なのだと思う。
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あと、松田龍平さんの無駄遣い。
あと、岡山天音さんが進化する前なのでシンプルに嫌な役でかわいそう。
あと、余貴美子さんはやっぱりよい。ほんの少ししか登場しないのにとてもよい。ほんの少しでも観るものの心を持っていく彼女の存在感を活かしきれてない作品。
も少しおまけに、アニメに関するくだりは必要だったのか?すごく不快だった。
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