「湯たんぽのような良作」麦子さんと 漂流たる漂流さんの映画レビュー(感想・評価)
湯たんぽのような良作
稚拙な私の語彙から本作を一言で表しますと、「湯たんぽ」、「良作」といった表現になります。
まず、「湯たんぽ」。湯たんぽというのはストーブやヒーターのように部屋自体を暖めてはくれませぬが、蒲団の中に入れると何とも優しい、まるで母胎のような温もりを与えてくれるものです。本作はそんな温もりのある映画となっていました。
「良作」というのはそのままの意味ですが、私は本作に'あえて良作であろうとする'意志のようなものを感じました。あえて衝撃的な展開を用意せず、感動を助長するサントラを投入せず、まさにそこにある親子というものだけを繊細に描いています。
俳優の方々の演技は自然体でした。
「実は私たち、家族なんです」と言われても「やっぱりね」と思えてしまうほどの自然な親子がそこにありました。
皆さんすばらしい演技でしたが、あえてMVP を選ぶとすれば、やはり主演の堀北真希さんでしょう。彼女をいままで「アイドル女優」だと思っていた筆者ですが、違いました。彼女はまさに女優です。紛れもなく女優でした。
家に帰って堀北真希さんの出演した映画『三丁目の夕日』.『続.三丁目の夕日』.『三丁目の夕日64』.『白夜行』の四作をTSUTAYAでレンタルして見ました。三丁目の夕日のころから彼女はアイドル女優なんかではなかったのだとわかりました。彼女はいい女優です。
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