「化身」麦子さんと ブレイブさんの映画レビュー(感想・評価)
化身
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この作品は二部構成になっていまして、前半は殆ど初対面と言ってもいい母親との突然の同居に主人公が戸惑いで、後半が母の故郷を訪れた主人公と母の旧友達との人情劇、という構成になっています。
この作品のポイントとなるのは、前半で主人公が母親と和解も理解も出来ないまま、唐突に終焉を迎えるという点でしょう。
その母親との溝は、後半で埋められていくのですが、何せ当事者の一人である母親が既に物語から退場しているのですから通常の和解が出来る筈がありません。
この作品の秀逸なのは、主人公が昔の母親と瓜二つとする事で、主人公自身を母親のアバターにしている点です。
その為、母親を知ることが自身の内面、本心を知ることに繋がっているのです。
主人公の麦子は幾つもの夢を追っては、すぐに諦めて別の夢を追うということを繰り返していたそうですが、それは恐らく自分自身をすきになれ無かったからではないでしょうか?
だとしたら、あの結末の後の麦子はきっと夢を諦めずに負うことが出来るのでは無いかと思います。
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