「胸&糞」恋の渦 オレさんの映画レビュー(感想・評価)
胸&糞
ある見知らぬ9人の男女がある夜ある部屋に集まり飲み会を開いたことから始まるウソとエロと怒号が入り混じる胸糞密室劇。
飯田橋ギンレイホールでの大根仁監督オールナイト3本立てにて鑑賞。
上映前には大根仁監督のトークショーも開かれこの作品の冒頭を編集する際にメチャクチャにイライラしたと語っていた笑。
まずその冒頭。
多くの方々が言っていたがとにかく冒頭10〜20分は我慢だと笑。これは監督本人も言ってた笑。
オラオライケイケ系のコウジとその馬鹿真面目KYな彼女トモコの家に遊びに来た良い金髪奴ユウタとその友達で驚愕のKYグラサン、タカシ。
共通の友人でイケテナイ系モヒカンニートのオサムに女を紹介しようと自宅で鍋パを企画。冷やかしにとやって来た友人ナオキとその彼女で完全に見知らぬ人だらけでアウェイな環境に放り込まれ戸惑うサトミ、そして招待されたBITCHカオリとマリコ様なユウコ。
内輪に内輪を重ねたような盛り上がり方しか出来ない最悪の空気の飲み会をかれこれ10分近く上映笑。これはひどい絶対この場に居たくない笑。
実際に9人が集うのはこの冒頭だけ。
しかしこの飲み会をきっかけに微妙に変化していく人間関係を数カ所の部屋の様子を順繰りに反省会的な部分も含め描いていくのが本筋。
登場人物を演じる俳優陣は全て素人の方々。のちにちゃんと俳優を続けたり、逮捕されたりといろいろな人が演じるリアルで情けない演技がなかなかに面白い。
この無謀な会を企画したわりにトモコの周りへの気配りが足りないだの紹介しようとしたユウコが死ぬほどブサイクなどと言いたい放題するクズカスフリーターパリピ崩れなコウジの正論すぎる罵りツッコミが意外とキレが良く面白い笑。
トモコやタカシのいい歳して本気でKYな感じやナオキとカオリの浮気関係とそのさらに裏の男女関係と怖いくらいにリアルな演出が多数。
オサムの情けなさとプライドの高さを持ち合わせた人間演技が見事にツボ笑。ユウコと初めての夜のシーンは劇場内全員が爆笑。
OP、EDともに胸糞にある意味珍しい作品笑。
ちょっと尺が長く、ストーリー性があるわけでもないのでダレるとこもあるかもしれないがなかなかの秀作だと思う。