「スリルとサスペンスと…心温まる…ラストだけはぐっとくる!」セイフ ヘイヴン もしゃさんの映画レビュー(感想・評価)
スリルとサスペンスと…心温まる…ラストだけはぐっとくる!
小さな港町にやってきた女性が、最愛の妻を亡くし、失望をしながらも2人の優しい子供たちに支えられながら商店を営む男性と恋に落ちる…しかし、女性は逃亡中で、徐々に危機が迫り、その真実を知ったときに二人は…
っていうのは、よくある映画紹介に書かれていることですが、いやー、最初の最初からサスペンス色満載。
オープニングの東海岸の朝焼け?の景色はとてもキレイだったな…と思いきや、最初の最初からケイティが明らかに殺人を犯した風(あくまで風なのがバレバレ)で家をでて、向いの家に、そこからは警察が追うのを逃れて、アトランタ行きの長距離バスへ…。
わけあり感が満載なオープニングに、2人の純愛よりもどちらかというとサスペンス感が強かったのが、事前情報と違いすぎてなんだか拍子抜け。
その後ケイティはアレックスと徐々に親しくなっていくわけですが、そこに子供たちの姿がとても効果的で…名前が思い出せないのがとっても悔しい!女の子は、母親の記憶が少ないということですが、とってもおませさんで積極的。アレックスとケイティが最初に話すきっかけになったのも、一緒にビーチにいったのも、最後の大事件もこの娘が絡んでいて、とっても天真爛漫でキュートな感じが良かったです。男の子は母親の愛を受けてそだったのでしょうね、とっても閉鎖的でくよくよしている父親と距離を置きながらも、自分が母親離れができないって感じがすごく心優しい感じがしてよかったです。そんな2人の子供に支えられながらわけありの恋愛はとても純粋に進む…のですが、その合間合間にちょいちょい、サスペンスの進行があり、なんだか違う映画が突然合間に差し込まれたかのような感じがでるほど、違和感が繰り返されたのがとっても残念でした。
とくに、ケヴィンがケイティの脱出した家でお酒を飲みながらメモを発見するシーン(っていうかその前の捜査の中で、独善的なすがたからかなり気づいてはいましたが…)からは、もはや伏線が伏線にならない感じで、そこからのサスペンスのサンドイッチはもはやうっとうしい限り…。唯一ケヴィンのアル中の堂に入った演技は秀逸でしたが。
そこからは、ケヴィンがケイティの居場所を見つけ出しつつの、同時にアレックスがケイティの秘密に気づいて、破局しかけてのおやくそくの復縁…からのケヴィンの起こす事件と、ぎりぎりの線で4人は助かる…て言うのも想定の範囲内過ぎて、もはやサスペンスなのかラブストーリーなのか…というしらじらしい感じも出るほどでした。
ただ、最後の母親が残した手紙をケイティに渡してからの最後の5分は個人的には秀逸で、ジョーがなぜケイティをたすけてきたか、なぜ、アレックスとケイティを結ぼうとしてきたか…、祭りのときに見せたジョーの悲しそうな表情…この伏線はサスペンスに隠れて気づかず、本当に泣きそうになりました。
と、いろいろな要素を放り込みっていう感じは非常に強いですが、最後の5分ですべてを白紙に戻して、「見てよかった…かも」と思える映画です。