「深まる秋には、この映画で思いっきりロマンス体験をしようよ!」セイフ ヘイヴン Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)
深まる秋には、この映画で思いっきりロマンス体験をしようよ!
ボストン郊外で起きたある事件の描写から始まるこの作品、非常に緊迫感のあるファーストシーンを持って来た事から、作品の流れがテンポ良くなり、あっと言う間に観客の心を物語の中に引き込んでしまう。
この辺りの作り方が非常に巧い演出で、流石はラッセ・ハルストレム監督だと納得した。
「親愛なるきみへ」「きみに読む物語」「一枚のめぐり逢い」などのベストセラー作家ニコラス・スパークスの原作を映画化と言う事で、またいつも通りのお涙頂戴の三文小説の映画化かなと思ったが、この映画は予想に反して面白いラブストーリーだった。
ファーストシーンも面白かったけれども、ラストも意外性があって「?!?」と言う感じで、これは賛否の分かれるラストシーンになっているかも知れない。
しかし、今まで映画化されて来たニコラス原作の作品の中では1番良い作品だったので、満足感が残る作品だ。
ラブストーリー+サスペンスの要素を盛り込んだこの物語は、毎度描かれるニコラスのベタ甘のラブストーリーから、スパイスの効いたパンチのある作品へと様変わりしていて、この辺りは、「砂漠でサーモンフィッシング」が単なる甘美なラブストーリーで終わらなかったのと同様に、ハルストレム監督の腕の良さと言う事なのだろう。
この映画はボストンからアトランタを経由して、ノースキャロライナ州のサウスポートと言う小さな港町を舞台に描かれている。
アメリカ大陸を縦断してこのスモールタウンを舞台に物語が展開していくのも、自然の美しさで溢れる画面が堪能出来て、とても綺麗な映像描写になるので、映画の映像的にも、魅力のある作品だ。
ヒロイン、ケイティーを演じるジュリアン・ハフもとてもチャーミングで、トム様と共演した「ロックオフ・エイジ」とはまた違った魅力ある芝居で、これから日本でも彼女のファンも増えるのではないだろうか?
そして彼女のお相手のアレックスを務めるのは「トランスフォーマー」シリーズのジョシュ・デュアメルが好感の持てる、シングルファーザーを熱演しているのも見所の一つだ。
そして、忘れてならないのがアレックスの2人の子供達だ。とてもハートフルで、こんなシングルファーザーの元へなら、ゴールインしても良いのでは?と思わせてしまう所も良い感じで、この秋にデートで観るならこの映画をお薦め出来そうです!セイフヘイヴン(安住の地)に相応しいサウスポートの町、絶対訪れたい町の一つになってしまいました!