「やられた側の憎悪と怨嗟は長く残るというお話」レイルウェイ 運命の旅路 resuwisshu311さんの映画レビュー(感想・評価)
やられた側の憎悪と怨嗟は長く残るというお話
第2次大戦、東南アジアで日本軍の捕虜となった英国人が受けた暴力・屈辱・恥辱。
終戦後数十年経てもそのトラウマは拭えぬものがあり、せっかく掴んだ結婚という幸福にも暗い影を落とす。
その暗い影を拭い去ろうと、自分を苦しめ辱めた日本軍関係者に復讐を果たそうと立ち向かう!!
なんて書くと勇ましいリベンジ劇風だが、物語は極めて静的トーンでしずしずと展開する。
日本人としては当時の邦人がなした残酷非道な行為にヒリヒリ痛いものを感じながら、「では一面的には戦争被害者であるあなたがたは世界の侵略地で現地人に何をなしてきたのか??」と反発心がむくむく頭をもたげてくる。
という風になかなか複雑な心境にさせられながら見続けたわけだが、本作品は実話ベースの個人対個人の話でありながら、そこから想像を膨らませると、個人を取り巻く「現在や過去の同国人たち」の加害行為に嫌でも直面せざるを得なくなる。
映画の出来としてはあまりに静的に過ぎたかもしれないけれど、上のような考察に到らせてくれたという意義は大なるものがあったのではと思う。
しかしあれだね、上のシリアスぶったコメントはさておき、主役白人の結婚に至る出会いエピソードはあんなとんとん拍子に行くものなのか??と目を丸くしてしまったよ。笑
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