「人間の業。」スノーピアサー 加藤プリンさんの映画レビュー(感想・評価)
人間の業。
凶暴なまでの、人間の業。
極限にまで濃縮された縮図で描かれる
人間社会には、必ず破綻があること。
それが計画されたものであろうと、なかろうと
人間の感情がある以上、それは絶対に起こりうること。
この監督はそれを表現している。
は、世界設定に無理がある? 原作が漫画?
そんなことは、事前情報でわかりきったことだったはずだ。
そこをちゃんと描いてもらえないと、納得できないってのは、観客の甘えなんじゃないの?
そんなわかりきったことを踏まえた上で、なぜ、そんな不利な世界設定を監督が課したのか。
そして、そこに描かれるテーマはなんなのか。
そこを読み解かねば、映画なんて観る価値ないよ。ただ、「見た」だけだ。
観客の質は常に問われている。
この監督の提示したテーマ。希望でも絶望でもない。その先に、いや、その過程にあるもの。
それは、人間以上でもない。人間以下でもない。その業でしかない。
痛いほどの視線でそれを見つめさせてくれる映画。辛いのよ。痛いのよ。それが人間なのよ。
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