「彼らの行く末を見守らずにはいられません!」ビフォア・ミッドナイト Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)
彼らの行く末を見守らずにはいられません!
もしも誰かが、私に生涯観た恋愛映画の中でベスト5を選べと言われたら絶対にその中に「ビフォア・サンライズ」は選ぶ。
それ程、このイーサン・ホークとジュリー・デルビーの2人のキュートな魅力が弾けていた「ビフォア・サンライズ」は正に大ラブロマンス映画の代表作だと信じて疑わない!
したがって、このイーサンとジュリーが演じているジェシーとセリーヌと言うカップルの行く末を見届けなければ、2人のキャラクターのファンとしては気が収まらない。
言ってみれば、もう私は彼らの親戚にでもなってしまったのか?と言う程にかれらの今後が気になるのだ。
18年前に主人公のアメリカ人青年ジェシーが、旅先のヨーロッパでセリーヌと言う可憐なヒロインに出会い、一目惚れ!
何と本当にロマンチックな事だろう!2人は決してこの恋を忘れる事が出来ずにいる。
勿論住むお国も違う2人は全く別々の人生を歩んでいるけれど、心の片隅から、あの日の想いを捨て去る事が出来ずにまた出会う。
そして3度目の正直と言う本作では一体2人はどんな再会を果たすのかと思っていたら、やっぱり結婚していてくれた!
この事は、このシリ-ズ大ファンの私には待ち望んでいた当然の結末だった。
映画の中では、こう言うハプニングに展開しても全然気にせず、大歓迎と言う事だ。
だが冷静に現実問題として考えてみると、もしも自分の結婚相手の心の片隅から、何時までも若き日の一目惚れの恋の相手の存在が消える事がなかったなら、何だかとても寂しい気持ちになってしまうだろう。
そしてこのジェシーとセリーヌにとって、2人の出会いが只の大切な過去の思い出として、心の奥底に終い込んでいる出来事だけなら良いのだが、その好きだと言う気持ちがその後も少しずつ育ち、決してその募る想いを捨て去る事が出来ないこの2人ならば、やっぱり本作の2人の様に再婚していてくれた2人に心底安堵した。
これこそ自然の成り行きで、お互い離婚した相手の人には気の毒だが、お互い4人の幸せの為である。
しかし、この映画はベストビューのロマンチックなロケーションで撮影されている事も勿論魅力なのだが、何と言ってもこの映画の本当の魅力は、2人が交わす会話こそが、この映画の命そのものと言っても過言ではないのだ。
英語に堪能な人はこの2人の会話の微妙なニュアンスも理解出来るのだろう。だがこの作品では私の様に英語苦手なファンには、特に字幕翻訳家の方のセンスの良し悪しが問われてしまう難しい仕事であると思うが、面白く観られたので翻訳家の方に感謝している。
何と言ってもこの作品の監督のリチャード・クレイターとイーサンとジュリーが共同脚本を執筆しながら作品を仕上げているわけだから、もうこの映画のジェシーとセリーヌは彼らにとってもライフワークになり、今後も彼らの素敵な行く末をきっと魅せてくれるのだろう。多いに今後に期待して良いシリーズ作品だ!
最期に余計だが、私の生涯のベストラブロマンス作品は以下の通りです。順位は映画好きの私には点けられないけれど、この4作品を「ビフォア・サンライズ」と共に推薦しますね!「ローマの休日」「恋人たちの予感」「ゴースト」「小さな恋のメロディー」
「小メロ」は子供の恋愛劇で本当のラブロマンスと言えないと言うのなら、D・リーン監督の「旅情」も、旅+一時の恋の思い出、大人のメルヘンとして最高の映画ではないかな?
「風と共に去りぬ」はラブストーリーでは有るけれど、大河ドラマだよね?