「探偵×政治=あなどれない面白さ!」ブロークンシティ cmaさんの映画レビュー(感想・評価)
探偵×政治=あなどれない面白さ!
B級に珍しく、原題そのまんまのカタカナ邦題です。ポスターやチラシでは元刑事とNY市長の全面対決!といった雰囲気ですが、実際は、権力者に立ち向かう一市民、という構図でした。
いつも通り、元刑事=マーク•ウォールバーグは、マズイなあと感じながらもトラブルにずぶりと足を踏み入れ、あれよあれよと窮地へ。対するNY市長=ラッセル•クロウは、絵に描いたような金と権力にまみれた悪徳政治家! とにかくワルい、憎たらしい。…とはいえ、所詮は市長どまり、という器の小ささまで滲み、こちらもぴったりなキャスティングでした。(個人的に、正義の味方ラッセルより、こういう小ずるい•せこいラッセルが好きです。)脇をかためる人々も、いずれも粒ぞろいでニヤリ。中でも、政治家を演じるバリー•ペッパーが新鮮でした。
探偵もの×政治もの。とくに後者の要素にスピード感があり、楽しめます。みるからに悪徳、なはずのラッセルが、テレビの公開討論会では、ぐいぐいと大衆を引きつけていくのは鮮やかな限り。他国の話、たかがフィクションなどと面白がってばかりはいられない、政治家にだまされてはいけないなあと痛感しました。
敵対する立場の者同士がふと心を通わせる列車のシーンや探偵と助手の小気味よいやり取りなど、おおっと思わせるものが細部にさりげなく散りばめられています。香港映画と相性がよさそうな味わい。ぜひリメイクしてほしいです。ジョニー•トゥ監督で、アンソニー•ウォン、ラム•シュー、フランシス•ンがどっかに出てくれたら言うことないです。あ、それからそれから、できれば…(以下、きりのない妄想…)
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