「進化したディザスタームービー!!」イントゥ・ザ・ストーム yujiさんの映画レビュー(感想・評価)
進化したディザスタームービー!!
あるイベントでこの映画について話し合うみたいな内容だったので、イベントを楽しむためにも、観とこうかなと思って、観賞。
僕自身、あまりディザスタームービーに関しては、好んで観る方ではなくて、期待はあまりしてなかったです。なぜかと言うと、レビュアーの皆さんも書いてるとおり、ディザスタームービーってそれ以上でも、以下でもないんですね。トルネードが街を襲うって内容が事前にわかっていて、そのなんとなくこういう映画だろうなというイメージを上回るストーリーは観られないっていう難点があって。ミステリーだと何を観れるのかっていうワクワク感があるじゃないですか。それが、ディザスタームービーだとないので、その時点で、ちょっと期待が薄れてしまうんですよね。
そんな気持ちで観に行ったのですが、予想に反して、僕は、かなり楽しめました。一言で言うと、POVという着眼点で映画が作られているところが、この映画を面白くしている点で、他のディザスタームービーでは感じられない興奮が味わえたのかなと思います。
そして、ちょうどいい具合の人間模様。性格の見せ方。
登場人物がどういう性格かが長すぎず、わかりやすく押さえていたので、僕はけっこう感動しました。
興奮度MAXのシーンは何と言っても下水管の中で、ひたすら飛ばされるのを耐えるところですね。映像としては、けっこう地味になりがちだけど、タイタスで下水管を塞ぎ、階段にしがみついて耐えるというシーンであんなにすごい映像が作れるという点が素晴らしいと思いました。1996年の「ツイスター」に比べたら、かなり良い作品が出てきたんじゃないでしょうか。もっとも、18年前の映画と比べるのもどうかと思いますが。。。
一つ、思うところは、POVをディザスタームービーに取り入れるというアイディアの素晴らしさとPOVの限界というところです。
今では、卒業式をビデオカメラやスマホで撮影したり、you tubeに動画をアップしたりなど、動画撮影という行為が当たり前に認知されているという時代にかなりマッチし、それがこういう観たことない現象を映像に収めたいという好奇心にかられる人もフツーにいそうなところがPOVがうまく取り入れられる良い点じゃないかなと思います。ただ、一方で、こんなに危機迫る時でも、カメラを向けられるか?という問題点も映画を撮るという点において、POVを限界を感じました。
この映画は、さすがに人に生死に関わるところは、客観的映像に切り替わっていましたが、(全編POVじゃないんかいというノイズが走ってしまった)POVである以上、カメラを持っていないといけないという縛りを生み出してしまい、ストーリーの幅が狭くなってしまう気がしました。
例えば、
・さっき言った、衝撃映像を撮影してやるという野心的な登場人物が必要。
・軍隊のヘルメットについている小型カメラなど、普段から義務的につけなければならない職業やそれにまつわる事件。など。
なので、例えば、
二人だけで何気ない会話をするというシーン。
登場人物の空想や夢シーンとか考え事をしてその人物自体は全く動かないシーン
とかは、POVには不向きであるという限界・・なんてことをあれこれ考えてしまいました。
そういう点では、このディザスタームービーにPOVというのは、かなりマッチしていて、うまくハマった感じがしました。
あとは、CGの技術!!もうどんどん進歩していって、ハリウッドの技術には毎回驚かされます。10年後、20年後はどんな映像が観れるんだろうとか思いました。2014年はこんな感じか。もうあと10年後の竜巻映画が楽しみですね。
・・・とは言えやっぱり好みなのか、僕はこの程度の評価です。
ディザスタームービーが好きな方は、かなり楽しめると思いますよ。