「「当たり前」の狂気具合。」カレ・ブラン ひちょさんの映画レビュー(感想・評価)
「当たり前」の狂気具合。
「社畜」と「家畜」についてのセリフ的説明はほとんどない。
淡々と繋げられている薄暗い、人の気配が希薄な連続写真の中にストーリーはあり、必要最低限のセリフで構成されている。
そんな世界のなか、ふと「これは実写?」と思うほどの街、建物がストーリーの冷たさ、暗さを更に際立たせていきます。
監督は「ラブストーリー」という。
ソレは確かに、映画の中の最重要な部分として提示されています。
ソレとは別に、このラブストーリーと共にある「当たり前の世界」がどれだけ狂ってるか。
そしてそれを狂っていると思う見てる側も、無意識のうちにそちら側に向かっていってしまってるのではないか。
いい意味で七〇年台、八〇年台の映画の感じ。
様々なその次代のSF作品(ディストピア)の影響を感じられます。
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