「「降伏しろ」と言わずに、降伏を命じたのです。」終戦のエンペラー shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
「降伏しろ」と言わずに、降伏を命じたのです。
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映画「終戦のエンペラー」(ピーター・ウェーバー監督)から。
天皇が、第二次世界大戦に関わったかどうか、マッカーサーから
その調査を依頼された主人公は、いろいろなことを調べ、
一度、自分なりの結論付けをして報告書を書く。
「国の統治者として戦争責任を回避できない」、
その理由は「無罪にする根拠がみつからない」。
しかし最後には「有罪にする理由がないからです」と変え、
「疑わしきは罰せず」、この方針を貫いた形となった。
面白い視点だな、とメモをしたが、この映画を思い出すには、
ちょっとインパクトが弱い気がした。
そこで選んだのは、冒頭に表現されていた「降伏」について。
天皇が日本国民に向けて発した「耐え難きを耐えよ」は、
「『降伏しろ』と言わずに、降伏を命じたのです」ということ。
へぇ、そういう意味があったのかと感じて、これを機会に、
「玉音放送」で読まれた、昭和天皇による終戦の詔書
(大東亜戦争終結ノ詔書、戦争終結ニ関スル詔書)を読み直した。
「朕は時運の趨く所堪へ難きを堪へ忍ひ難きを忍ひ以て、
万世の爲に太平を開かむと欲す」の一部である。
以前、ある方の講演で聞いた、安岡正篤先生と
終戦の詔勅のエピソードとはじめて繋がった瞬間である。
終戦のイメージとして、この「玉音放送」を聴く国民の姿が残るが、
この「耐え難きを耐えよ」という部分を「降伏する」と解釈した。
今、戦争の映画が、感動ドラマのようにもてはやされるが、
これを機会に、第二次世界大戦(大東亜戦争)について、
自分たち国の歴史を調べるきっかけになって欲しい。
そしてこの戦争の意義、敗戦(終戦)の意味を、正しく理解したい。
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