極道の妻たち Neoのレビュー・感想・評価

キャスティングの時点で違和感が強い。
長嶋一茂のヤクザ役はどうしても“役にハマっていない”印象で、天龍源一郎をはじめ演技経験の乏しい俳優を起用したのも裏目に出てしまった。

暴力や殺害シーンはあっさりしていて、本来あるべき“極道ものの恐怖や緊張感”が弱い。
死ぬかどうかの瀬戸際のはずなのに、登場人物から恐怖や焦燥が伝わらず、盛り上がりに欠ける。

正直、面白くない…。
作品の空気も演技も軽く、シリーズの持つ緊張感とは別物のように感じた。

大阪府堺市生まれの女優さんが話すコテコテの大阪弁のお芝居。黒谷友香が大阪弁のお芝居は意外と珍しい(もしかして事務所NG!?)。それだけでも作品としての価値があるかな。

・女子高生の棒読みモノローグが随所に挿入
・目尻に赤いアイシャドーをさしキセルを吸いわめき散らす組長夫人
・恐ろしい組織のはずの銀龍会の利用され使い捨てのされ加減
挙げればきりのない突っ込みどころ満載映画です。シリーズ歴代のスタッフ参加者ゼロなんじゃってくらい酷い出来。
キャストも貧相。往年の貫禄はどこ行った！？大杉漣と今井雅之では軽すぎるんだよ、ラスボスとしては。

クライマックスの映像が暗すぎて何が何だか分からない。

学芸会かって演技。
だめだこりゃ。

クライマックスの極妻同士の闘いを延々スローモーションってナニ
どうもアクションが苦手な監督みたい
ドラマパートはそんなに悪くなかったのにドンパチが始まると途端にチープに
カメラ二周させるのも要らんかったなぁ
neoというほど刷新されていない
暴対法で生きずらい極道（ヤクザいうたらアカン！）をもっと描けばいいのに
家田荘子をマッサージ師で投入
ボスキャラに原田夏希 。黒谷さんが小顔なせいでエラが協調され過ぎて可哀想
バストトップを晒してベッドシーンに挑むのも彼女だけ。往年のかたせ梨乃の立ち位置
今井雅之と大杉漣がものすごいヘタレな役どころ
小池里奈の違和感たるや

黒谷友香のイメージを一新させた極妻だが、あからさまな低予算映画でなんだかなぁ。
夫を殺された極妻が復讐しようとするが、復讐に終わりはなく・・・。
美しい黒谷友香の着物姿は絵になる。

極姉って感じ。

でも、結構面白かった。

思いの外、一茂がグッドジョブ(笑)

原点回帰を図った作品であり女の激しい情念を扱った作品でした。

惜しむらくは人間模様を重点的に描いているため全体的に画面が地味。
従来のシリーズファンでアクション面に期待している方にとっては確実にドンパチが物足りない作り。
そのため事前に誤った期待をしていくと肩透かしを喰らい失望することとなるので要注意です。

役者陣も、ちと残念。
主演の黒谷友香の姐さん感というよりはお姉さん感はシリーズ通して新鮮でしたが迫力には欠けます。
また相手役の原田夏希は悪女を熱演していたのですが化粧が濃過ぎてヤリ過ぎ感が否めませんでした。
何より酷かったのが、サクラ演じる小池里奈。
この人のシーンは全てがグダグダ。
作品の品質を3ランク位下げていました。
これは酷かった。本当に酷かった。

ただ嫌いにはなれない作品でした。
極道家業を務める夫。待つ妻。
夫を愛する、妻の、女の情念が周りの人間を巻き込み大きな渦となる。
その悲哀、業。
観ていてグッときます。

残された人間の気持ちの移り変わりを丁寧に描いた点は好感が持てました。
アクション映画というよりは人間模様を描いたメロドラマ映画として行く分には十分価値がある作品だと思います。

オススメです。