「40代ならオープニングの感激はひとしお。アーネル・ピネダの告白も刺激的?」ジャーニー ドント・ストップ・ビリーヴィン 覆面A子さんの映画レビュー(感想・評価)
40代ならオープニングの感激はひとしお。アーネル・ピネダの告白も刺激的?
If he ever hurts you
True love won't desert you
You know I still love you
Though we touched
And went our separate ways…
(Journey/ Separate Ways)
ってことでジャーニーです。
ジャーニーのセパレート・ウエイズは良く知っていても
ジャーニーの今現在のボーカルがフィリピン人だということは
意外と知られていないかもしれません。
この映画は
マニラに住む無名のシンガー・アーネル・ピネダが
YouTubeといういかにも「現代的手段」により、
いきなり世界へ躍り出た過程とその成長を追う
ドキュメンタリー映画。
ジャーニーのメンバーであるニールに見出される経緯から
その華々しいデビュー、成長、トラブル、
そして彼の生い立ちの告白(サラリと語っていますが)等を
詳細に綴っています。
ってことで映画を観た感想を。
オープニング、やっぱりセパレート・ウエイズが流れてくると
われわれ40代はもれなく毛穴が開きますね。
でもその中心に立っているのはなんとも
「いかにもアジアン」「いかにもフィリピン人」な彼。
そんな彼が「ジャーニー」という
いかにもアメリカンなロックグループの中心に立っていることに
人はまず違和感を持ちます。
しかし「Here we stand…」という、
その透明な声による歌いだしを聞くと、まるでスティーヴ・ペリーそのもの。
しかし、ここまでなら単なる優秀なインパーソネーター。
容姿はまるで中川家のお兄ちゃんみたいな雰囲気の彼を
アメリカ人たちは何故「ジャーニーの一員」として認めたか。。。
そんな感じで映画は始まっていくのですが。
さて、それでは実際のところ、
世間は何故、彼をジャーニーとして受け容れたのでしょうか。
もちろん、その類まれなる声質や歌唱力は当たり前の要因です。
しかし、それのみに留まらず、映画を観ていて思うに
ぴょんぴょん跳ねるまわる、小回りの利いた
エネルギッシュな歌い方、
少年みたいな彼のキラキラした瞳、童顔さ。
そして貧しく悲しい生い立ち。。
謙虚で素直な所…
なんとなく「ロック」であるはずの彼が
ロックとは違う別の雰囲気の…
アメリカ人受けしそうな要素がたくさんあるからなのかな。
…とかちょっと思っちゃった。
良く分からないけど「アンビリーバボー」とかに
使われそうな単純明快なサクセスストーリーも
人をほろりとさせるのかも。
私はへそ曲がりなので
いい感じに渋くいぶし銀に仕上がってる他メンバーの中で
ひとりだけ若返ってると
なんとなく「サザエさん」や「ルパン三世」なんかを
イメージしてしまって、好き嫌いは別としても
「浮いた感」をどうしても感じてしまいました。
まぁそれも「味」なのかな?
でもやっぱりその音楽性、声の透明感、伸びは素晴らしくて
帰りの電車でつい、のけぞって「セパレートウエイズ」を
口ずさんでしまう自分がいたりして(←歌詞を覚えてるのはこれしかない)
今後の彼の不安要素は何かしらで躓いたとき
彼が薬物等に手を出さないかということと
糟糠の妻を捨てやしないかということですね。
映画評価としては、ジャーニーが好きな人なら楽しめる作品、
ジャーニーをほとんど知らなければ出だしとエンディングは別として
途中部分ただただ眠くなる作品かもしれません。
音響設備が整っていればDVD視聴でも良いかも。。