「愛に導かれ愛に辿り着く」ある愛へと続く旅 arakazuさんの映画レビュー(感想・評価)
愛に導かれ愛に辿り着く
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異国の地で出会ったジェンマとディエゴが紆余曲折(ジェンマの結婚と離婚)を経て、ようやくジェンマの故郷で結ばれる。
二人は子どもを望むが、ジェンマの身体は妊娠が難しかった。
(もしジェンマがディエゴの子どもを流産していなかったら、彼女は別の男と結婚することはなかったのかもしれない)
ディエゴを繋ぎとめるためにジェンマは代理母によって子どもを持とうとするが…。
これは、ジェンマの側から見た物語。
しかし、ディエゴの物語もある。
父親が母親に暴力を振るう家庭環境に育った彼は、その父親の死をきっかけに写真を撮るようになる。
彼はジェンマとの生活の為に味気ない写真を撮り続けるが、二人が出会ったサラエボに戦火が迫り、いてもたってもいられなくなる。
(ここで彼の背中を押すのが、ジェンマの父親あることが面白い。)
そして、サラエボでの物語。
かつて二人を引き合わせたゴイコと、代理母を引き受けるというアスカの物語。
更に、現在のジェンマと息子ピエトロ、ゴイコとアスカの物語…。
登場人物それぞれの物語が重層的にひとつの物語を織りなす。
500ページ超という原作小説を脚本にするにあたっては相当苦労したそうだが、やはり(小説ならば感じないかもしれない)詰め込み過ぎの印象もある。
あくまでもジェンマが主人公というスタンスなので、ディエゴ、ゴイコ、アスカ、ピエトロ、そして幼子を抱えたジェンマの夫となりピエトロの父親となった大佐の思いを汲み取れきれていないように感じてしまう。
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