「『ローランス・オールウェイズ』のほうがしっくりくる。」わたしはロランス ろす子さんの映画レビュー(感想・評価)
『ローランス・オールウェイズ』のほうがしっくりくる。
わたしはロランス。なんだか人に言うにはこっ恥ずかしいタイトルである。
監督のグザヴィエ・ドランは「天才」なのかはわからないが、他にはないキレた感覚の持ち主である。
彼の色彩感覚は新鮮で、4:3のアス比での画面の切り取り方はみていてとても痛快であった!
マイノリティが居場所を求め対人、環境と折り合いをつけていくお話なのだが、着地の仕方も味わい深いものがあった。
ただ、主人公ロランスのような問題を抱えた人への知識も(本当の意味での)理解も持ちあわせていない僕のような人はこの物語を「所詮他人事」とし、自分の人生に投影した上での真の感動とやらを味わうことができないだろう。もっと社会的マイノリティ全般の話に昇華していればこうはならなかっただろうが、そうなってしまってはこの映画の魅力そのものが損なわれる。
要するに、そういうバランス感覚も含めてキレまくってるってコト。一見の価値は高い。
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