劇場公開日 2013年4月13日

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「タイトル(邦題)が言い得て妙」ブルーノのしあわせガイド マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5タイトル(邦題)が言い得て妙

2013年5月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

幸せ

女の人にはあり得ないが、男の場合は知らないところに自分の子供が存在することはあり得る。
この映画は、そんな“いきなりあなたの子宣言”で始まる。
それまで裕福とはいえないまでも勝手気ままな生活をエンジョイしてきた中年男が急に父性に目覚める様が可笑しい。
大人や社会へ反抗心真っ盛りの少年とのぶつかり合いが、二人を少しずつ成長させていく。

だらしなかったブルーノ、一生懸命父親らしく努めようとしても空回りばかりのブルーノに温かみを感じる。この歳になってもまだ精神的な成長の伸びしろがあるということに人生の魅力を感じる。
ろくに勉強をせず落第寸前だったルカ。無事に卒業できるよう父親として奔走するブルーノだが、思った以上に成長していたルカの姿に若者らしいみなぎる力を感じる。この映画を観る少年少女たちに、たかが10代で人生を決めてほしくないという人生の先輩たちからのメッセージが見て取れる。

それにしてもルカの母親が息子をブルーノに預けて海外出張に出掛けてしまったのはなぜだろう。
そろそろ父親のことを話さなければならないが自分では話しづらくて、父子二人だけにしておけばそのうち自然にまとまるだろうと知恵を働かせたのではないかと穿った見方をしてしまう。
ラストのカットなんか、どうも母親が海外ではなくローマ市内のホテルでほくそ笑んでいるように見えてならない。

それはそれとして、ダメおやじブルーノもなんかハッピーな余生を送れそうだし、同性としては嬉しい結末である。

マスター@だんだん