言の葉の庭のレビュー・感想・評価
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言葉って素敵だな、と思わせてくれる映画
まるで2時間映画を見たかのような満足感。
こんなにも美しい世界に、人間の弱さや苦しさ、挫折と切なさ、そして希望と愛が全て入り交じっていて、正直言うと、この映画をすっきりまとめられる程の文章力は自分にはない。
今作は「雨」そして「靴(足)」、「言の葉」という3つのワードが大切になってくると思う。
「雨」の降る日に決まって同じベンチに訪れる少年と女性が、自分自身の「靴」を作って1人で歩こうとする。
少年は将来や夢の為に真っ直ぐに突き進むが、どこかでずっと焦りを感じている。
これがまたよくわかるんだよ。。。
人間はそんなに真っ直ぐでいられない。
だから、雨の日だけは、真っ直ぐ学校へ行かずに寄り道して公園に向かうのだろう。
もし当時自分が同じ事をしたら1回でも大変な事になっていたなと考えると、羨ましくも感じられた。
女性には辛い過去がある。
こういう優しくて親切で、それでいて美人な人って、どこかで誰かに妬まれて足を引っ張られるんだろうな。。。
彼女は行きたくても行けない。真っ直ぐに向かいたくても進めない。
それは、周りの人からは「逃げ」だと感じられてしまうのかもしれないけど(特に日本人は許さない人が多いと思う)、こういう彼女の気持ちをわかってあげられる人であった方がいいと思う。
二人は次第に惹かれていく。
自分にはないような「大人っぽさ」や「色気」を持ち、ミステリアスでつい惹き込まれるような女性、ユキノ。
自分が出来なくなってしまった、真っ直ぐに夢を叶えようと突き進む、「若さ」と「純粋さ」を兼ね備えた少年、タカオ。
そりゃあ惹かれるよな...
自分だったらユキノさんに確実に惚れてる。
花澤香菜さんの声はやっぱりいい。
女の子らしい声も、大人っぽい色気のある声も、透き通っていて聞き心地がいい。
なんでユキノは、タカオの告白とも取れる言葉に、敢えて突き放してしまったのだろう、と考えた時に、やっぱり異性に対しても嫌な過去を持ち、タカオの将来も考えての事だったのかなと思うが、それでも最後に追い掛けてしまうのは、どうしようもなく好きだったからなのかな、などと考えてしまう。
でも結局はユキノは実家へ帰り、二人は離れ離れになってしまったわけだが、それもタカオの将来を考えて?
それならユキノがここに残って、バイト等をしながら同棲でもしたら良かったのでは?と考えてしまうのは、まだ自分は幼いからなのだろうか。
「君の名は。」が、学生の真っ直ぐで純粋なド直球恋愛だとするなら、
「言の葉の庭」は大人の静かで激しい恋愛なのだろうな。
ここまで書いてもまだまだまとめられそうにないので、この辺で。
長々とすみません。
もしもっと上手くまとめられそうであれば、書き直します。
最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
背景はいつもバツグン
ただただ美しい
想いのこもった言の葉
Amazon Prime Videoで鑑賞。
ノベライズは未読。
なんと美しい物語なのだろうか。新海誠監督ならではの映像美に圧倒され、逢瀬を重ねる男女の物語を鮮やかでエモーショナルに描き切った構成と手腕、脱帽の一言です。
「君の名は。」でもそうでしたが、映像に物語の機微や登場人物の心象を絡み合わせるのがめちゃくちゃ上手いなと、改めて感じさせられました。これはもはや「詩」じゃないか。
裸足の全力疾走。雨の吹き込む階段で溢れ出す想いをぶつけ合い、心が通い合った瞬間を祝福するかのように雨が止んで、雲の切れ間から射し込む陽光。美し過ぎて落涙しました。
[余談]
「天気の子」でも雨が効果的に使われている様子。お天気が重要な要素であることで関連性を感じ、本作を鑑賞しました。
46分の短い上映時間にこめられたものの濃密さ、計り知れない。秦基博の主題歌も良く、最高の余韻に浸れました。
※修正(2024/01/29)
あとちょっとなんかこう・・
映像美
年上女性
総合70点 ( ストーリー:70点|キャスト:75点|演出:75点|ビジュアル:85点|音楽:70点 )
雨が降る公園で午前中にのみ二人は会う。緑をいっぱいに映す水面が、ここが世界有数の大都会の中にある憩いの場所となる。雫が落ち水が流れるような透明感のある音が風景に溶け込んだピアノが心地よい。
二人の人生はほんのちょっと交差しただけ。それでもその出会っているときは、困難な夢に向かう少年と追い込まれた女性が自分をさらけ出して本当の自分になれてちょっとだけ救われる時間だった。
風景やちょっとした場面の描写に言葉を使わず思いを語らせる。そうかと思えば主人公たちの語らいを入れて文学的に状況と気持ちを表現する。相変わらず新海監督のそんな演出が上手い。映像も初期の作品よりさらに進化している。
脚本の方は、会ったことがあるという会話・和歌・仕事・女性のつぶやく不安と、伏線を張って回収が上手い。
私事だが、今月ある場所で会ったある男の人は、彼が中学生の時の教師と結婚したのだと教えてくれた。そんなことが実際にあるんだなと驚いた。最初はちょっと非現実的と思った2人の関係だし2人がその後どうなるのかわからないが、この話を聞いてもっと現実的に感じた。『君の名は。』でもそうだったが、新海監督は年上の女性が好きなのかもしれない。
泣けるアニメ
ピュアって何だろう
この二人の関係を表す言葉がみつからない。
純愛でもないし、友情でもない、共依存とは違うし…大人の女性と男子高生の居心地のいい不思議な関係を描いた映画です。
ファンタジー要素が全くないとアニメの必要性ある?と思うのですが、都会の雑踏や公園が本当に美しい。
中でもテーマの雨が、すごくきれいで、こんなきれいな雨見たことないと思いました。
謎の女性と距離が近くなっていくことに、ドキドキしたりはしませんでした…残念ながら。
リアルな風景ゆえに、フィクションに感じず、清潔感を感じなくてもやもやしました。
謎の和歌を言って去るゆきの、自分の正体に気づいて欲しいけど欲しくない心情ゆえの行動…思春期か!
大人の女性が男子高生に何やってるんだろう。
ゆきのの靴を作ろうと足を触るシーンは、秋月の真剣さが垣間見れる名シーンなんだろうけど…。
ずぶ濡れになって、家に入れるのか…がっかり。
秋月は告白して振られて、数分後には、好きじゃないと非難する言葉を轟々と浴びせる。
いかにも高校生ぽくて、大人に成長したら…という気持ちも興ざめします。やっぱ子供だな、と。
純愛物は好きですが、やっぱり現実だったら?と考えてセーフかアウトかで、キュンとするか興ざめするか分かれます。
この年齢なら彼の淡い恋心に気づいてもいいはず。
自分のために離れなかった、ゆきのは好きになれませんでした。
価値のある45分
タイトルなし(ネタバレ)
映像と音楽はいつも美しい。それが保証されているのは、もうよーく分かっているし、目に嬉しいのはありがたい…のだけども…この監督のストーリーと自分の好みが合わない…。
恋愛物が苦手というのがまず致命的なのだが、それにしても言の葉の庭は「何だよこれ…」と思ってしまった。レビューでよく見る「教員と生徒の恋愛はキモい」だとか、「先生が自立できてない大人でイライラする」だとか、そんなことはどうでも良い。両者の、つらいことがあって、将来への淡い夢があって、人生がやりきれなくてこうなっちゃった感じもよく分かるのだが…
だが後に残るこの「うわぁ…何だこいつら…」という気持ちは何なのだろうか? キャラの行動が許せる許せない、現実味が無いとかあるとかで引っかかるわけでももない(あったらアニメなんか見ない)。
ストーリーの中身が合わないからという理由で新海作品が見られないのはまことに残念なので、一度恋愛に全く触れないストーリーを作ってみてほしい…が、そういう客はそもそもお断りなのかもしれない…
1つのドラマを観た。
古典が好きな人はきっと好き
面白いっていうより趣がある
雨の日公園の一角で静かに流れる2人の時間、万葉集の歌を通じたやりとり、歩き出せない女性に歩き出す靴を作りだす少年、立場や距離の埋められない隙間…でもそこには愛がある
ゆったりとしていて文学的で素敵だった
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