「ゾンビボーイmeetsガール」ウォーム・ボディーズ arakazuさんの映画レビュー(感想・評価)
ゾンビボーイmeetsガール
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そうか、この手があったのか!!
社会の中で生きる人間を律していたあらゆるシステムが崩壊した時に問われるのは、ひとりひとりの人間そのものであって、そこにドラマが生まれる。ゾンビ(または感染能力が強力な謎の疫病)というのは、そういう状態を人為的に作り出す為の装置だと思っていたのだが、まさか“ゾンビ”でラブ・ストーリーを生み出すとは恐れ入った。
ゾンビは喋らないし、勿論感情もない。
あるのは、ただ強烈な飢えのみ。
というゾンビもののお約束に少し変更を加えたら、あら不思議。
ゾンビ版ロミオとジュリエットの出来上がり!
ゾンビも少しは喋れるし、感情をすべて失ったわけじゃない。
そうすれば、
ゾンビボーイも主人公になれるのだ。
敵対する両家という壁は人間とゾンビという壁になり、Rとジュリーがお互いの温もりを感じることでその壁を乗り越える。
そしてそのふたりの姿は、他のゾンビの奥底に眠る温かな記憶を呼び起こし、再び人間に戻る決め手となる。
物語の枠組みはロミオとジュリエットやグリム童話を思わせる古典。
このストーリーは強い!
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