サイド・エフェクトのレビュー・感想・評価
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薬の副作用ってこわいんですね・・・
サスペンスとしておもしろかった。さすがソダーバーグ監督。そつがない。ジュード・ロウがどんどん追いつめられていってかわいそうになった。キャストが豪華だった。主演を張れる人がたくさん出ていた。でも、ルーニー・マーラにやられた。「ドラゴン・タトゥーの女」以降すごいね。「ソーシャル・ネットワーク」ではそんなに目立つ存在じゃなかったんだけどな。俳優っていい作品に出会うと一皮むけて変わるんだね。
幸福薬の代償
不幸せなふりで本当に不幸せになる。
これを借りるとして、一緒に見るならやっぱり『カッコーの巣の上で』ですかね。
精神病を主題とした映画は面白いです。
他のおすすめは、『メメント』『ラースとその彼女』『ステイ』『17歳のカルテ』
本人の頭の中をのぞけるわけもないので、
本当に精神を病んでいるかどうか、なんてことはわからないのですね。
本人が望めば、精神病になれます。その振りをすることなんて簡単です。
精神科医が、本当の病態を見つめられることなんてありません。
映画の中だけではなく、現実でもそうです。
なーんて。
ちょっとサスペンス風味。
女性主人公が私にとって副作用
JALの機内エンターテインメントで鑑賞。
暗い感じを受けたまま最後まで見る。なんだろう、どうして重い感じになっていたのか。わかった、夫人役のルーニー・マーラが苦手なんだ私。
作品そのものは、うまくまとめられている。
だが、ジュード・ロウとルーニー・マーラ、役にはまったとは言え、シリアス過ぎて怖い。
倍返しする実験。
ソダちゃん祭り第二弾。
あーこれが劇場用最後の監督作品だなんて、ホント勿体ない。
実験映画に長けたソダーバーグ最後の作品に納得至極。
あらすじと流れくらいしか言えないけど、ホントに面白かった。
しかし映画的には面白いけど、実際問題としてかなり怖いお話。
何かというとすぐにカウンセリング、クスリ漬け、という某国の
実態を思い切り皮肉っているのは一目瞭然だが、それで儲ける
英国出身の博士が巻き込まれていく今回の事件とは、果たして…。
注目は、またも出ているチで始まってムで終わるC・テイタム。
と思ってたら、彼にはあっという間に災難が降りかかりました(苦)
主人公・バンクス博士の患者、エミリーの夫マーティンなんですが。
この妻であるエミリーという女性、あの凄い出で立ちで盛り上げた
「ドラゴン・タトゥーの女」リメイク編でリスベット役をやった人ですね。
普通の化粧で見てみると、けっこう地味で。けっこう可愛い。
だけどねー、この人、これからこんな役しかこないんじゃないの?
っていう(日本でいうと二階堂ふみ)のような難怪演技力持ってます。
上映時間106分があっという間。
とくに後半のどんでん返しなどは、どうなるのかお楽しみに。
という感じで、日本でいま流行の「倍返しだ!」っていう台詞が
なんだか今作でも活き活きと感じてしまうタイムリーな作品。
まぁ…災難率としては、バンクス博士がダントツ!なんですけど、
今作の最も怖いところはタイトルにもなっている「副作用」。
最近じゃ、新薬の開発が進み(被験者が必要なので)どんどんそれが
患者に処方されているみたいだけど、新薬って何回も試さないと、
その薬の真の副作用の実態なんて分からないものだと思う。
重症患者には一か八か!の思いで医師も処方するのだろうけれど、
受け容れる患者側の方もしっかり把握していないと、今回のような
恐ろしい「副作用」による事件が起こってしまうかもしれない…!?
そうなれば今度は責任問題。どこに、誰に、一番の責任があるのか。
というわけで、そういうことはしっかり把握しておくんだぞ!
訴えられてからじゃ、遅いんだからな!
というのが、ソダちゃんからのラストメッセージになるのかな。
しかしこの作品は、後半でとてつもない仕掛けを展開させる。
新薬を巡る製薬会社や医師や患者絡みの社会派作品だと思わせて
あら、なんなのこれ!的などんでん返しを後半に持ってくるのだ。
ここがとっても実験的な見せ場^^;
私的にその様変わりする部分の繋ぎが若干しつこく感じたんだけど、
このしつこく嫌な感じがJ・ロウの苦悩を思わせていい感じなのだ。
もう一人の博士シーバートを演じるゼタ姐さん(最近頑張ってるね)
と合わせて、ずーっとビンタ食らってる感じの怒号の後半戦を是非。
風邪薬は効き目で選びたいところだけど、なんだかそれも怖いぞ。
(ソダちゃん処方の今作の副作用はなんだ!もっと観たくなるのか?)
自分が知る自分と、人から見える自分と
「未来を取り戻そう」がコピーの薬、アブリクス。
鬱に処方されるこの薬を軸として起きた殺人事件を中心に据え、関係者それぞれの思惑が絡み合った混沌が描かれる。
何かおかしい。仕組まれているように見える。しかし、それは誰が。何を。
見失った未来は取り戻せるのか。
取り戻すこと叶わず失われてしまうのか。
登場人物のほとんどが精神の薬を服用もしくはその経験があるというのは、アメリカならではのリアルなのだろう。
「イギリスでは精神科にかかると病気だと思われる」と劇中で語られるのは、その点について逆説的な皮肉もしくは警鐘にも思える。
そしてこの話、何が怖いかというと、「事実とは自分が体験したものではなく、他者が自分を見て妥当と判断したもの」という現実を淡々と突きつけるところだ。
裁判でも、何故犯行が起きたのかを突き詰めるよりも、周囲の人間にとって適切と思われる落としどころを探す方が重要視される。
立場が悪くなるとき、それは真実がどうだったかよりも、他人にどう見えるかが問題なのだ。
最後にオチはつく。
収まるべきところに収まる。
しかし、後味悪くすっきりしない。
そういう映画。
以下余談。
先月、ホワイトハウスダウンで大統領を救ってた時には、こんなことろでぶっすりやられる姿をみるとは思わなかった、チャニング・テイタム。
なかなかの佳作
夫の出所を待ちわびる妻エミリー。インサイダー取引の罪で服役する夫のマーティンも根っからのワルではなさそうだ。
“うつ”を再発させてしまうエミリーの担当医、バンクスは実直な性格だが、働き盛りで、それなりに野心もある。
エミリーが過去にどのような処方を受けていたのか確認するために前の担当医を尋ねる。それがシーバート博士(女医)。
これでこの映画のポスターの4人が揃う。
ここまで、それぞれの人物とその背景にあるものが実に丁寧に描かれる。終わってみれば分かるが、この人物描写こそがこの作品の生命線。ラストに向けて集束していく。
途中から話の底に何か企みが存在することは判るが、どう始末をつけるのかがなかなか見えてこないサスペンスの良作。
飛行機のアクロバットでいえば、初めは単独でフォーポイントロールなどの技をじっくり見せ合い、途中から4機で編隊飛行。ところが1機が脱落。原因は新型機の導入か? つい観客の目がそちらに向きがちだが、空では1機のすぐ上を別な1機が背面でランデブー。そこへいきなりローリングをかまして飛び去る機体に、我に返った観客たちが拍手喝采といったところか。
映画は、小気味いい着地を見せる。
タイトル通り、副作用を上手く利用したサスペンス。現代社会の対人関係や情報に左右されやすい社会環境を逆手に取った脚本が上手い。新薬に観客の目を誘導する演出も巧み。
信用もせずに去った妻や同僚医師をギャフンと言わせてくれたらもっとスッキリしたが、そこまで底意地が悪くないところが彼らしい。
丁寧なサスペンス
ソダーバーグ監督らしい、静かで地味な雰囲気。
前半の社会派ドラマのような語りから、後半はサスペンス色が色濃く出てくる。
薬物依存社会、という点を除けば日本でも火サスあたりでやりそうな話。
観ていて違和感を感じる点は多々あったが、観終わる頃にはスッキリする。
一番の見所は役者達の芝居合戦かな。
ルーニー•マーラーは独特の魅力が滲み出る女優やね。儚げで、キュート。
囚人のジレンマでしょうか。
疑って観無い事をお勧めします。
そうすれば最後まで楽しめるでしょう。
2流の推理小説にありがちな、最後の場面で情景説明して、推理もへったくれも出来ない作品では無い事は、許せます。
ですが、推理・・・?想像の範疇で、まーそうなるわな。
と、読みだすとストレート過ぎて、物足りません。筋書きが中途半端ですね。
そうかと言って登場人物をばらばら出して、森に隠さず進めた所は、潔いと言えるでしょうか。
演技がうまい俳優陣だけに、作品の質が強調されて、製作側のまずさが引き立ちます。
脚本がダメなのか、映像表現がダメなのか・・・悩む所ではあります。
そう言った意味で、観られる方には、お勧めです。
奇麗に仕上がっているのに、面白みの無い作品とは、何が原因か。
探求するのも、面白いかも知れません。
その手の映画愛好者でない方は、DVDで十分です。
急展開の大どんでん返し!
題名が英語で、どんな映画か解りづらい映画です。
日本語に訳すと、『副作用』です。
内容は、夫が、インサイダー取引で刑務所に4年間入り、鬱になった妻の病気が、刑務所から出て来たばかりの時に再発し、ジュード・ロウ演じる精神科医の与えた新薬で夢遊病となり、夫を包丁で刺し殺してしまい、薬の副作用に悩む真面目な話に途中まで見えました。
あまりにも真面目なNHKのドキュメンタリーみたいだったので、前半まで全く面白く無く、途中で映画館を出る人もいました。
ところが、後半から話が急展開の大どんでん返しをします。
実は、夫が刑務所に入っていた時に受診した女医と妻は、レズビアンの関係になっており、刑務所から出て来た夫が邪魔なのと、鬱病の新薬の悪影響を考えた株の暴落とライバル会社の株の値上がりを予想した女医の金儲けの計画だったのです。
残念なのは、あまりにも、前半の真面目な薬の副作用を考えさせられるシーンが長いため、間延びした映画になっています。
前半部分を短くして、女医の登場時間を長くすれば、最高の映画だったんですが。
それにしても、精神科で妻と女医がレズビアンに目覚めて、夫を躊躇なく刺し殺すシーンなんて、不気味でした。
ソダバ-グらしい映画
実にメリハリの無いソダバ-グらしい、作りの映画でスカッとしない。結局、狂気を装った復讐だった。天国から地獄を味わったのだから仕方ない。でも、人生なんてこんなもの波乱万丈なのだから。
その作品を観る状況で…
最初から云い方、悪いかもしれないが…スカッとしたい時には観たくはないかもしれない…(個人的な意見として)ジュード・ロウは好きだし、“ドラゴン・タトゥーの女”的なルーニー・マーラを求めては駄目だとも思うし…、精神科医的な話は好きなので、結構好きな感じ…
TPPで医療自由化後の日本でも?
奇才スティーヴン・ソダーバーグの作品。新薬に疑われる“副作用”がもたらす、悲劇と疑惑を描いた、社会派サスペンス。50歳になるスティーヴン・ソダーバーグの最後の劇場公開映画になる。
物語の設定上、うつ病が重要なポジションを占めている。日本でも、(劇中のジョナサン・バンクスの言葉に拠れば)イギリスでも、うつ病とは完全に“病気”として扱われている。しかし、アメリカでは必ずしもそうではなく、心療内科・精神科・セラピストに通うことに関して、日英ほど否定的な響きは無い。そんなアメリカだからこそ、成立するストーリーになっている。
一見、薬害もの?と言う感じがするが、実際のところは、犯罪もの。巧妙なトリックが繰り広げられようとします。
R15指定ですが、あぁ、なるほど。そうかもしれません。
エミリー・テイラーが最初に見てもらっていた女医ビクトリア・シーバートをキャサリン・ゼタ=ジョーンズが演じています。怪しい・・・、いや、妖しいです。とっても。登場からしてミステリアスでしたが・・・。
主人公のバンクス医師を演じるジュード・ロウですが、上手いですねえ。ジュード・ロウはイギリス生まれですが、上記にも記したとおり、バンクス医師もイギリス生まれと言う設定のため、敢えて、英語のアクセントはイギリス英語のアクセントを直していなかったらしい。
ルーニー・マーラも、“か弱い”女性を上手く演じています。そのか弱い感じが、物語での重要ポイントになっているかも。
いやぁ、結構重たい話です。映画の中身と直接関係ないですが、アメリカ医療の一端を見た気がします。どんどんクスリを出すとか、保険を気にするとかetc.etc.。TPPで医療分野が自由化されると、医療はこんな風になってしまうんですかね?やだなぁ~。
タイトルをキャサリンへ捧ぐ
昨今ではあまり珍しくないサスペンス。 ワクワクしたのはプロローグの5分程度で、それから人間関係を追い 誰が何を企んでいるのか 淡々と突き詰めていくドラマ。
医者役が似合うのと 少々色ボケした男を演じさせたらピカイチの ジュード・ロウ。 お高くとまり ずる賢く周りを翻弄する役、ちょっと疲れた感じの キャサリン・ゼダ=ジョーンズ。 画的バランス、見た目で呼ばれた チャニング・テイタム。 演技をルーニー・マーラ独り任せにしておいて 大物の存在感とのシナジェスティック・エフェクト(相乗効果)を期待したようだけれど、大したこと無い。 『ドラゴンタトゥー…(2011)』の時のような衝撃が得られず、後半からどんどん盛り下がっていくストーリー。
DVDでも良かったなと思った 3.0評価。 最近のキャサリンは 芸風がどれも同じで、この先(キャスティングに名を連ねていると)ちょっと敬遠してしまいそうです(サイド・エフェクト、ね、苦笑)。
私は最初のほうでオチがわかってしまった。
キャサリン・ゼダ・ジョーンズとジュード・ロウは昔から大好きなので、この映画には興味をもった。
が、監督が私にはあわないので、不安だったのだが・・・・。
案の定、やっぱり私にはいまいちだった。
話の筋的には興味はもてたが、展開がぐずぐずしていて、
もう少しなんとかならなかったのかな?と思った。
絶対最後迄、目が離せないし、主要人物の芝居が最高でした!
この映画「サイド・エフェクト」の意味とは、薬の副作用の事だとか。今日では、病気治療には無くてはならない、薬の存在。
しかし、薬は、効き目も発揮すると同時に、副作用を起こすのも、コイン同様表裏一体だ。
この映画は、その両刃の剣とも言える薬の服薬事故の行方を追う推理サスペンス。
ドンでん返しの連続で決して最後迄目が離せないのだ。
計らずも、今日この映画を観て帰宅しPCを開いたら、今年の4月から6月の3カ月で、統計を取り始めた1984年以来、最多数のエイズ患者発生と言う記事を発見。
HIVに感染した患者でも、エイズの発症を遅らせる薬物が今では有り、多数の患者が、薬の効果で、延命している。
人類にとって、新薬の開発程、ありがたい物は無い。
薬物治療は、現代医学の生んだ大きな恩恵だと思う。何もエイズに限った事では無く、癌も今では、手術ばかりが癌治療の主流では無く、抗がん剤の投与に因っても、病気の改善が診られる。色々な疾病に於いて、薬物治療程大切な存在は無いと、誰でもが信じている。
その盲点を突くように、この映画は、特に鬱病と言う、心の病の問題に迫るから、とっても面白い。と言うより、背中がゾッとする様な恐さがある。
しかも、その鬱病を患ってしまい、新薬服薬の犠牲になるヒロインを「ドラゴン・タトゥーの女」で衝撃的なキャラクターを演じた、ルーニー・マーラーが熱演する。
そして彼女を見守る心優しい夫マーティンには「ホワイトハウスダウン」で不死身のヒーローを体当たりで演じたチャニング・テイタムが当たっている。
そして、彼女に服薬を処方した精神科医をジュード・ロウが迫真の演技でこの作品を魅せている。
その他にも、この映画はキャサリン・ゼタ・ジョーンズも出演するなど。本当に豪華キャストだが、配役のみならず、音楽も良いし、カメラも良かった。
基本サスペンスなので、詳細を記す事が出来ないのが、残念なのだが、決してエキセントリックにストーリー展開する事無く、地味に徹して見せて行くからこそ、余計にこの映画本来のテーマの恐さが浮き彫りに示されていく。
この処3Dなどを駆使して、派手にテンポ良く魅せてくれる作品ばかりが上映中で、本当にこんな地味で静かなだけの作品は、逆に凄いインパクトが有るし、この作品の持つ、心理的な恐さも倍増されるのを感じたのだ。
私はマンマと騙されてしまった口だが、あなたはこのトリックを見破る事が出来るのだろうか?
この映画を最後に、Sソダーバーグ監督は劇場作品を撮らないそうだが、この作品に続いてもっともっとこれからも、面白い作品を多数監督して欲しいものだ。
思いもしない所に、付箋があります
ソーダーバーグ監督作品は、初めて鑑賞しました。
全体的には、やっぱり難しい作品だと思います。
細かく、細かく、付箋やどんでん返しも多いので
自分が予想したようには進まない意外性がかなりあります。
その意外性がとっても面白いのか、ちょとストレスになるのかは
その人次第。好き嫌いが、分かれる所です。
私自身は、ちっと長くて、すっきりない感が少し残ったかなぁ。。。
↓でも前情報がないと、謎解きが難しい作品。
ソダーバーグ監督作品の印象としては、後味の苦い社会派で、観客を突き放し、オチを親切に説明しない、ちょっと構えて見てしまうものというイメージがありました。
ところが本作は、薬害の副作用(Side・effect)を告発する社会派に見せかけて、実は「ポストモダン・ヒッチコック・スリラー」ともいうべき、本格派のサスペンスを作り上げたのです。しかも、監督としては珍しいハッピーエンドで終わるのです。
今回で監督を引退するソダーバーグとしては、今までにないチャレンジがしたかったのではないでしょうか。
全体の印象としては、鬱病患者のエミリーが、新薬抗鬱剤の副作用で、無意識に夫を刺し殺してしまうという序盤のヤマ場までの展開が、やや長すぎたと思います。加えて、『ボーン・アルティメイタム』の脚本を担当したスコット・Z・バーンズの脚本は、いかに観客を欺くかということが徹底されて、ラスト近くまで観客がミスリードするような書き方なのです。だから真相がネタバレされたときの驚きは感じたものの、あまりにラスト近くまで引き付けすぎたため、いささか謎解きのスピードが急すぎるのです。もう一回見ないと、エミリーの心境の変化がイマイチよく分かりませんでした。
当初長々と、エミリーの病状と治療風景が描かれるシーンでは、すっかり副作用を隠そうとする製薬会社の陰謀を暴いていくのかと誤解してしまいました。ところが、追及の矛先が、新薬を処方した主治医の精神科医バンクスに向けられるに従い、本当の主役はバンクスだったのかと戸惑ったのです。もっと手短に、マスコミがバンクスの処方ミスを追及し始めるシーンに繋いで欲しかったです。
バンクスの登場は、脇役もいいところで、エミリーを患者に持つカウンセラーに過ぎませんでした。問題の薬を勧めるところでも、あれこれ試して効果がなかったエミリーが藁にもすがる思いで飛びついたのに過ぎず、自分が矢面に立たされ、主役になっていくなんて、聖天の霹靂だったでしょう。
ただバンクスの描き方として、医療ミスの冤罪のレッテルを引きはがそうとする正義のヒーローとしての強さだけでなく、自らも過去に患者との性的な接触を疑われた過去を持つ設定はいいと思います。それがあるから、ひょっとしたらバンクスは、昔と同じくエミリーにも興味を持って、邪魔な夫の殺害を意図したのではないかと思わしめる微妙なニュアンスが生まれました。
物語は、やがて法廷で精神薬の副作用で夫を殺したエミリーの有罪性を問いかけながら、バンクスは社会的にも家庭的にも追い込まれていく姿が描かれます。
仕事も家族も失ったバンクスは、倍返しだとばかりに、事件そのものを洗い直す調査に乗り出します。
そして僅かな手がかりから、エミリーは本当に副作用で夫を殺したのか。そして、彼女は果たしてそもそも鬱病だったのか疑い始めるのです。
その疑いの対象は、エミリーの前の主治医であるシーバート博士にも向けられました。果たして、医療事故だったのか、殺人なのか全く混沌とした中で、ラストに突入するのでした。
ルーニー・マーラーが演じるエミリーは、華奢で虫一匹殺せない感じ。だから、薬の副作用で夫を無意識に殺してしまったのという言い分は、凄く説得力があります。彼女に夫を意図的に殺す動機もありません。彼女を疑うのは、追い詰められたバンクスの妄想にしか見えないのです。それでも、恐ろしい一面持ち合わせているとしたらルーニーの演技力はたいしたもんだと驚きたくなりますね。
作品中夫のマーチンとのベッドシーンをオールヌードでこなす体当たりの演技も披露しています。
また、目立たない役柄のシーバート博士も、バンクスの追及で、化けの皮が剥がれたように豹変します。その追及シーンも見どころで、ジュード・ロウのゼタ・ジョーンズの演技合戦が見物でした。
いやはや、女は化けるものだと、女の怖さを思い知らされた作品でした。巻き込まれてしまったバンクスに思わず同情。
とにかく、あっといわせる結末は一切ネタバレできません。ぜひ劇場で。
ぜひ、前情報なしで見てほしい
鬱に悩む女性エミリー(ルーミーマーラ)とその夫マーティン(チャニングテイタム)、エミリーの精神科医のジョン(ジュードロー)過去にエミリーを診察していた精神科医のエリザベス(キャサリンゼタジョーンンズ)精神病を改善する新薬のサイドエフェクト(副作用)が引き起こした事件が、この4人の人生を変えていく。
とてもテンポよく、スリリングな展開。エミリーを演じたルーミーが「ドラゴンタトゥーの女」で見せた怪演に続いて、今回もはまり役。彼女に振り回されるジュードも相変わらずインテリでなんかイラっとさせる男だが、事件をきっかけに人間味が出てくる男をうまく演じていた。(髪型はもうあれ以上増えも減りもしないんだろうなあ・・・とやっぱり終止、目がいっちゃう)
基本的にこの4人の関係だけで映画は進んでいく。もちろん家族や警察なんかも出てくるが、話の中心を4人から広げなかったのがよかった。題材としてはもっと社会全体にふくらませたはずだが、限られた人間関係にしたことでずっとキャラクターの気持ちに寄り添って見ていられた。
ぜひ、前情報なしに話の展開を楽しんでほしい。
※一足先に米国のi-tunesで見ました。名前とか間違っていたらすいません。
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