「期待は持続」GODZILLA ゴジラ 病気の犬さんの映画レビュー(感想・評価)
期待は持続
まあまあ良いSF映画で、良く出来たゴジラ映画で映画としては普通の領域からでなかった。という印象。
リブート、再構成という意味ではこれ以上ないくらいうまいことやったといえる作品であるが、少しストーリーが鈍重で厭きが来る上に盛り上がりが少々欠けている。つまり映画としては微妙。そして未知の装置、モンスターのスケール感などのSF的な設定としてはそこそこ良い。
畏怖、恐怖の塊としてのゴジラは魅力に溢れ、生命力漲る姿でこれだけでも十分なのだが、それゆえにもっと見せてもらいたいという欲求を持て余すことになる。そこが冗長さを感じる一番のゆえんであり、この欲求の処理は簡単に見えてスピルバーグほどに巧くできる人は少ない技術でもある。
SF要素といえば新怪獣は21世紀感があってよかった。ストーリーを窮屈にした戦犯である上に設定が新しすぎてなじみ難い欠点はあるが、今までとは違う、雌雄の概念や特殊能力などなかなか冒険しており、いい意味での開拓が出来ていたと思う。本当にもう少しストーリーを巧く絡められたら言うことは無かったんだけど。
結果からいえばゴジラ愛が強すぎて映画としてはちょっと物足りないんだが、ゴジラというコンテンツとその魅せ方においてはよく考えられていて捨てがたい。といったところ。
偏愛からもう一歩踏み出せば素晴らしい作品が出来ると感じた。
次回はもう少し落ち着いて作るといいと思うよ。
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