劇場公開日 2013年11月23日

「人間の罪と罰とは?」かぐや姫の物語 Ghost Writerさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0人間の罪と罰とは?

2013年12月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

幸せ

子を持つ親として、子の成長を喜び、日々を慈しむ家族の姿に幸福を感じた。

親を持つ子として、親の庇護や愛情を一身に受けた幼少の日々を思い出し、もう二度と戻すことが出来ない時間の流れに悲しみを感じた。

自分らしく生きるとは?
社会生活を送る中で、他人との摩擦を避け上手に生きる方法を一つずつ見つけてきたが、ずっと心の奥には自分らしく生きるとは?という疑問を抱えていた。

何かの価値観に縛られたくない。
普遍的な価値観を見出したい。自由に自分らしく生きて行きたい。

一方でそう願うことを否定し軽視する自分もいた。

かぐや姫の「罪」が自由に自分らしく生きて行きたいと願ったこと
だとすると、「罰」とは、そう強く願ったことにより他人を傷つけ、自分も傷つき。そう強く願ったことにより生み出した他者との摩擦から逃れようと思ったこと。
その摩擦こそが生きるということかもしれないが、幸せな日々の記憶と引き換えに摩擦や苦しみのない世界へと戻っていく。

多くを望まず、純粋で無垢だった幼少期のような幸せな日々をただ夢見ただけ。自分らしく生きたいと望んだだけなのに。。

そんな彼女の姿は悲しい。

しかし、その姿が逆に、苦しみや悲しみも含めて、人間らしく自然に生きることの素晴らしさを伝えている。

Ghost Writer