「深い…」かぐや姫の物語 Mariさんの映画レビュー(感想・評価)
深い…
クリックして本文を読む
正直、好みがはっきり分かれる作品かなとは思った。
私は好きです。深い。
罰として月から地球におろされたかぐや姫。
月では、苦しみも怒りもない。無。
それは迎えに来た者達の無表情さが物語っている。
地球では喜怒哀楽があり、自然の豊かさを感じ生きていることを実感する。
ただ、生きるのが辛いような出来事もたくさん起こる。
それが現実で、実際に私達が生きる場所。
悲しや怒りがなくなったら、それに煩わされることもなくなるけど、生きている実感もなくなる。
つまり喜びも苦しみもあってこそ、生きることなのかと。
そう考えると、月は死の象徴なのかなとも感じた。
何も感じない無の世界って、死んでるってことでは…?
お迎えに来たのも8/15だったし。
そんな世界に連れ帰られると思うと、あのシーン怖すぎ。
音楽の軽快さが怖さ倍増。
最後、赤ちゃんが月に浮かぶシーンはかぐや姫の地球での記憶がなくなったことを表しているのかなと思った。
地球におろされたときの、まだこの地での記憶がない頃の姿=地球での記憶なない ということかなと。あくまでも私の解釈ですが。
後半の、帝の顎が長すぎなのにナルシストなこととか、捨丸にいちゃんとの不倫じみたシーンが強烈に印象に残ってしまいました…
それでも、私はこの作品が好きです。
全体的な絵の感じ、高畑勲監督が伝えたかったこと、総称して深いなぁと感じます。
コメントする