「すべての子供達にとってお弁当がいい思い出になるように」スタンリーのお弁当箱 arakazuさんの映画レビュー(感想・評価)
すべての子供達にとってお弁当がいい思い出になるように
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最近観たインド映画はすべて本当に話がよく出来ていて感心したのだが、それらの作品に比べると脚本のレベルは落ちるし、キャラクター造形にも疑問が残る。
その最たる例が、監督自身が演じているヴァルマー先生だ。
子供達が団結するために、分かりやすい悪役キャラクターにしたかったのだろうが、
ただの意地汚い食いしん坊だとしても、自分では弁当を持参せずに周囲の教師の弁当を当てにし、更には子供達の弁当まで寄越せと要求し、子供達が(弁当を持って来られない)スタンリーに分けてやるために自分に隠れて弁当を食べていれば逆ギレして「弁当を持たない奴は学校へ来るな!」と言い放つ、いくらなんでもこんな教師がいるだろうか?
しかし、それでも尚この映画が魅力的に映るのは、子供達の生き生きした表情と自然な演が素晴らしいからだ、。彼等の姿を見ていると、すべての子供達がお腹いっぱい食べ、等しく教育を受けられる世界を祈らずにはいられない。
スタンリーは、両親が亡くなった後引き取られた叔父の店で働くアクラムに店の残り物で作ったお弁当を持たせてもらえるようになるが、それでも、それを「お母さんが作った」と自分の置かれた厳しい環境を隠す。
子供のつく嘘はとても切ない。
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