劇場公開日 2013年9月28日

  • 予告編を見る

「傷ついた人に塩をぬりこむ映画」謝罪の王様 とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.3136
11%
45%
35%
7%
2%
採点

採点する

採点するにはログインが必要です。

新規会員登録

傷ついた人に塩をぬりこむ映画

2018年6月12日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

観ているうちにだんだん腹立ってきた。

”社会風刺”しているところはわかる。でも”謝罪”が”謝罪”じゃなくなっちゃうなんて(ノ-_-)ノ=言語道断。

セクハラを扱っているケースがあるが、そのことで苦しんでいる人を馬鹿にしている。自殺ネタを織り交ぜていることにも唖然。

 特にCASE5に関して、通訳ワクバルの珍訳・「使えない指南?」に振り回されてこじれていくのかと思ったら…。開いた口がふさがらなかった。
  謝罪師があたふたしている中で、島田氏が演じられた総理大臣が、クリーンヒットを放つ。なんじゃそりゃ。

マンタン王国ってブータンがモデルだと思うけど、ブータンファンとしては馬鹿にされた感じ。それこそ外交問題に発展しないかしらと心配。ブータンは小国だから文句言ってきても大丈夫、ブータンが我慢すると思っているのなら余計に腹立ってきた。

反面教師として謝罪を表現? ウケれば何をやってもいいと思っているのか? 『明日ママがいない』でもそうだったけど、傷ついている人の気持ちを踏みにじっていることにすら気がつかないのだろう。その神経が信じられない。

主人公・東京謝罪センターの黒島が求めていた謝罪ってこんなものだったの?
  黒島は自分の主張を自分の仕事でぶち壊しているんじゃないかって思う。「あやまる時人は誰でも主人公」ってただ単に注目されていればいいってこと?

それでも、
冒頭の車のスタントは息を飲みつつ大笑い。
役者さんも皆、きっちりと良い仕事している。
 劇役者ばかりだとコテコテになりそうですが、程よくTV・映画俳優が混じって、幕の内弁当―それぞれが存在感出しているのだけど引き立て合っている、そういう意味では、演出の点でも、きっちり良い仕事されていて「プロの仕事を見せましょう」というフライアーの言葉は嘘ではない。

けどね、
役者がしっかり仕事しているだけに、どうしてこういう設定なの?? こんな馬鹿馬鹿しい台本にしなくても、もっと日常の中のエピソードを積み重ねてしっかり笑いのとれる役者を集めておいてなんでこの話??

細かいところは本当にきちんとしています。外務大臣が外で土下座する時、しっかり自分のコートの上に正座していたりとか(笑った)。

だからこそ本当に残念だった。

前に坂東玉三郎氏が『高野聖』を映画化した時のインタビューで、舞台と映画の違いを語ってらして、この映画を観ているうちにそれを思い出しました。舞台はある程度様式美が求められ、奇抜、大袈裟な設定・演技も可能だけど、映画はアップもあり、より日常に近くなり、細かい心理描写が必要なので、演出工夫せねばみたいなお話だったと思います(記憶違いだったらごめんなさい)。

この映画の突飛な設定も、舞台だったら、あるわけないじゃんとツッコミながらもうけただろうし、舞台の役者の熱気に観客が巻き込まれて相乗効果の中大笑いしたんだと思う。でも、映画って、スクリーン通すから、舞台よりはちょっと客観的・日常的になるんですよね。

今ノッテいる宮藤官九郎さんの脚本、しかも”謝罪”がテーマの爆笑エンタ―テイメントということで、どれだけ笑わしてくれるか、日ごろの憂さを晴らしてくれるかと大いに期待して応募、仕事帰りに試写会に駆け込みました。
  結果、日々の忘れていた怒りまで思い出してしまいました(自分がどれほどあやまってもらいたいことを普段胸に収めているかを認識)。
 仕事帰りの鑑賞はお勧めしません。あ、怒りまくりたい人にはいいかも。

ここのレビューはマイナス評価があってよかった。マイナス100倍くらいにしたい気分。

コメントする (コメント数 0 件)
共感した! (共感した人 0 件)
とみいじょん
「謝罪の王様」のレビューを書く 「謝罪の王様」のレビュー一覧へ(全136件)
「謝罪の王様」の作品トップへ