劇場公開日 2013年9月21日

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「固唾を飲み続ける。 そんな緊迫感がずっとある。人を殺すシーンは逆に...」凶悪 VANeRopさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0固唾を飲み続ける。 そんな緊迫感がずっとある。人を殺すシーンは逆に...

2015年4月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

固唾を飲み続ける。
そんな緊迫感がずっとある。人を殺すシーンは逆に軽いノリのようにトントンいく、躊躇はないむしろ楽しむ。これが真実であるなら絶望ですね、真実ベースですので絶望してます。むしろ全フィクションだとしても眼を疑うが。
クソみたいな人間の悪をギュッと詰め込んだ存在。それをピエール瀧とリリーフランキーが絶対的に演じきってます。常軌を逸した言動、表情、存在ですね。存在が常軌を逸してる。刑務所で少し変わるピエール瀧。しかし、やはり変わってない気がする。ゾッとする存在であり続ける。改心などしていないよ。復讐にたぎっているだけ。
リリーフランキーは、対峙する法廷での表情が罪の意識など微塵も無い生を望む生き物としての見本のよう。これが本当の人間の姿なのかも知れない。そんな様に思わされる。完全には否定できない気がする。それでも否定しなきゃ。。。山田孝之はそれを全身全霊で否定しようとするが、実際はそんな自分に救いを求めてるだけなのかもしれない。小さな自分の中の凶悪を否定したいのだ。好演だと思う。
山田孝之演じる藤井は引っ張られるように引き込まれて取材を続け、真実を明らかにしていく。

山田孝之自身、不満の残る演技だったようだが、あれ以上は難しい気がする。むしろ、凄いと思う。両隣にあの2人の役、役者がいてだ。それ程の存在感が彼等にはあった。
怖いっす。

VANeRop