「報道が司法を動かした事実を基にした映画」凶悪 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
報道が司法を動かした事実を基にした映画
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この映画は実話が元になっています。
雑誌の編集部記者・藤井(山田孝之)に死刑囚の須藤(ピエール瀧)から
手紙が届く。
自分が犯した殺人事件には首謀者がいて、彼が罪を逃れて
のうのうとシャバで暮らしているのが許せない。
なんとか主犯の先生こと木村(リリー・フランキー)を捕まえて、
裁いてほしい・・・という内容だった。
拘置所に出かけて須藤に面会した藤井は身震いするほど興奮して
木村を司法の場に引き摺り出して、罪を償わせたい・・・
そう思ったのだった。
記者役の山田孝之が事件にのめり込んでいき、
次第に狂気に取り憑かれたように
暗く澱んで荒んでいく様が、まことにリアルです。
殺人なんかと無縁な普通の人間が、
殺して焼いた・・・
とか、
生き埋めにして殺した・・・
酒を無理やり飲ませて死に至らしめた・・・
なんて事を毎日聞かされ考えていると正気を失っていく。
藤井にも須藤や木村の狂気が乗り移る様は、事件の異様さと、
犯人たちの罪の意識の低さに驚くばかりでした。
須藤もそして木村も、
罪の意識なんてこれっぽっちも感じていない・・・
これこそが人間の【凶悪】な姿・・・
人間の持つ内なる一面・・・
あまりの良心の欠如に、いたたまれない気持ちになりました。
しかし【罪】や【恥」】の意識に苛まれる人が多いのも一方の事実です。
木村は逮捕されて無期懲役に確定した。
「新潮45」編集部の成した仕事は賞賛にに値する。
また、一線を超えた殺人者の得体の知れない【闇】
尋常ならざる【狂気】に戦慄しました。
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