「悪とは何か?」凶悪 ダンペーさんの映画レビュー(感想・評価)
悪とは何か?
クリックして本文を読む
凶悪。タイトル通りの「悪」を描いた映画。
一見解りやすいヤクザの暴力的な悪を描いただけの作品の様に見えて普通に日常の中にあるが見逃している、見ないようにしている悪も散りばめられている作品だった。
リリーフランキー、ピエール瀧演じるヤクザたちの暴力的な悪に始まり、
何気ない一家庭から借金の為に家族を売る悪。
命を軽んじ、利益・ウケを重視する悪。
面子を重んじ、真実を隠蔽しようとする悪。
仕事・使命に捕われ近しい人を苦しめる悪。
そして、最後には見ようによっては未解決事件の真相究明を手伝い、宗教に入り悔い改めようとし、死刑判決を取り下げられた須藤に対して「お前は死刑になるべきだ!」と発言する主人公もまた過剰に人を裁こうとする「悪」となってしまっているラストは考えさせられるものとなっていた。
当初「真実を世間に」という目的で記事を作っていた主人公の目的がいつの間にか「二人を死刑にする事」に変わって行く描写が緻密に描かれていて素晴らしい作品だと思った。
コメントする