「人間の本性とか性悪説とか」凶悪 shoz_さんの映画レビュー(感想・評価)
人間の本性とか性悪説とか
藤井(山田孝之)と須藤(ピエール瀧)の人間性が変化し、それらが交差していく様を楽しむことができるかどうかが、この映画を楽しめるポイントになると思う。ビジュアルからも言動からもその変化が読み取れる中、最後のワンカットでは完全に2人の立ち位置が入れ替わってることを表現していた。
人間のコアにある欲求が「殺人」や「神」を拠り所にして徐々に露出し、その果てに人間性までをもすり替え、須藤は救われ、藤井は本来最も大切にすべき家族をある意味では殺してしまう非常に胸糞の悪い映画である。
現実の誇張である映画作品にいかに没入できるかという点においては秀逸だったし、池脇千鶴含む女優陣のアンハッピーオーラは素晴らしくアクセントになっていたと思う。
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