「相変わらずのアトラクションホラー状態、でも前作よりは幾分・・・」貞子3D2 スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)
相変わらずのアトラクションホラー状態、でも前作よりは幾分・・・
前作はあまりの酷さに唖然茫然とさせられましたが、それと比べればほんの少しだけマシになっていたような気はしました。
勿論、前作と比べればの話であって、今回も決して褒められた出来ではなかったですけどね。
ただ、何せ前作のトンデモ具合が歴史に残るレベルのトンデモ加減でしたから、それ考えると随分マシになったなと・・・。
まあJホラーを代表する存在であるリングの「貞子」と考えてしまえば、相当アレな映画であることに変わりはないですけど(苦笑)
とりあえず、今回もゾクゾクッとするようなJホラー特有の怖さは皆無でしたね。
何度か単発で驚かされたシーンはありましたが、怖かったのではなくほんのちょっと驚いただけ、しかも本筋のストーリーとは関係ないお化け屋敷的な子供騙しの驚かせ演出でしたので、もうただただ苦笑いするしかなかったです。
モンスターパニック映画にならなかっただけマシとは言え、アトラクション化してしまった作風には今回も辟易でした。
ただ、演出は問題ありも、ストーリー自体は切なさたっぷりで、まずまず引き込まれる内容でしたね。
凪、楓子、それぞれの置かれた立場がとても切なくて、思いのほか感情移入させられてしまいましたよ。
これが前作には無かった部分なんですよね、笑うしかないレベルだった前作とは違って・・・。
特に凪を演じた子役の平澤宏々路の演技が素晴らしかった、不気味さあり、切なさあり、可愛らしさあり、演出の拙さがホント勿体無い。
楓子を演じた瀧本美織も、前作の石原さとみほどのインパクトや派手さはないものの、地味美人な感じは今回の作風にはピタリ合っていたと思いました。
しかしながら肝心の貞子がもうほとんど登場しないどころか、話的にも微妙な扱いになっていたのはいかがなものか。
話の辻褄も合ってなかったり、登場人物が度々疑問に思わざるを得ない行動をとったり(しかも会わせたら復活してしまうって言ってるのに・・・)、結果支離滅裂状態になってしまったのは致命傷と言うほかないでしょう。
マトモなストーリーになって支離滅裂になるぐらいなら、むしろ前作のようにトンデモ状態で支離滅裂の方が実は良かったのかもしれませんね・・・。