「悪魔を人間にしてしまう…」嘆きのピエタ ケイさんの映画レビュー(感想・評価)
悪魔を人間にしてしまう…
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ギドク監督らしいエグみ、これぞ韓国映画。借り手を障がい者にして借金を保険金に代えて取り立てる借金取りイ・ガンド。客は町工場の人々で次々と機械で手を落としたり、ビルから落としたり、情けを一切かけず、悪魔の所業。しかし、生まれて30年天涯孤独で育ち、人の愛情を知らずに育つ。そんなところに母親と名乗る女性が現れ、生活が一変する。最初は疑うも、次第に心を開き、共に暮らすようになり、母親無くしては生きていけないようになってしまう。しかし、それはガンドに息子を自殺に追いやられた母親の復讐だった。悪魔に初めて愛情を与え、それを自ら自殺という手段で一気に奪い去る。これほど恐ろしい復讐はない。もはやガンドは抜け殻、生きる糧を無くし、自殺するしかなかった。2時間切るスピーディな展開ながら、色濃く、後味が悪い。ガンド役が巨人の岡本和真にしか見えなかった。
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