「再見(2012年9月6日)」嘆きのピエタ mark108helloさんの映画レビュー(感想・評価)
再見(2012年9月6日)
正直これを見てその後キム・ギドクを見るのをやめたくらい衝撃作品。何よりも重く美しさの欠片もない。最初見たときのメモには儒教的母子観における母性の欠如とその普遍性が描かれていると思ったが、今回の再見で新たな発見があった。母性は復讐へ向かうと厄介なものだがそれでも母性はそれ以上の普遍性を持つことをこの映画を通して知ることになる。母性は復讐として効果的だがそれでも誰からも否定されえない属性であることが開示された。罪も罰もなく救済と許しが最後には描かれるが、そこには見る者への媚びは微塵も感じられない。それ故に作品的な救済はなくカタルシスもない。あるのは混とんたる現実のみである。
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