劇場公開日 2014年9月13日

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「ジェームズ・ガンの世界観」ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー 赤ヒゲさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ジェームズ・ガンの世界観

2025年8月31日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

今作を初めて観たときはピンとこなかったのですが、シリーズ3作目「VOLUME3」(23)に感動して、2作目「リミックス」(17)をDVDで観て、もう一度1作目に戻ってきたら、とても好きになってました(笑)。あぶれもの達が主人公、動物キャラがいること、おちゃらけたギャグの3点セットは、「スーサイド・スクワッド」(16)にも共通するガン監督の真骨頂のように感じます。現実の世界では、人道より武力がものをいい、国際法は平然と無視され、無法地帯が常態化していても誰にも制止できてません。正義という概念の危うさに少なからぬ人が疑心暗鬼になっていて、完全無欠のスーパーヒーローが世界を救う物語では物足りない、そんな風に感じる人もいるかもしれません。本作は、既定路線から外れていくところに面白さがあります。脚本にはたくさんの小ネタが仕込まれていて、脈絡なく流れるポップな音楽もそうだし、大事な場面でピーター(クリス・プラット)がダンスしたり、「I'm Groot」しか話せないグルート(声:ヴィン・ディーゼル)の言葉をロケット(声:ブラッドリー・クーパー)だけは理解できるところとか、鉢に植えた枝を携えて落ち込むロケットを嫌われていたドラックス(デイヴ・バウティスタ)が慰めるところとか、ガン監督の目線にはそこはかとない温もりが感じられて、じーんときます。

赤ヒゲ