「アーロと少年といけないオクスリ。うーん…良い話ではあるんだけど…。」アーロと少年 たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
アーロと少年といけないオクスリ。うーん…良い話ではあるんだけど…。
恐竜が絶滅しなかった世界線を舞台に、気弱な恐竜の子供アーロが離れ離れになってしまった家族を探すため、スポットと名付けた人間の少年とともに冒険を繰り広げるというファンタジー・アドベンチャー・アニメ。
アーロの母親、イダの声を演じるのは『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』『ムーンライズ・キングダム』の、レジェンド女優フランシス・マクドーマンド。
Tレックス一家の長、ブッチの日本語吹き替えを担当するのは『クローズ ZERO』シリーズや『探偵はBARにいる』シリーズの松重豊。
天下のピクサー作品。恐竜が地球の支配者で、四足歩行ながら農業や牧畜を営んでいるというトンデモワールドが舞台。
恐竜らしく狩りをするとヴィランになってしまう世界観ってどうなの?と思わなくもないが、そこはまぁディズニー・ワールドだから大目に見ることにしましょう。
自然描写の素晴らしさは特筆すべきものがある。岩の質感や雨や嵐の荒々しさ、木々の緑や大地の雄大さをありありと感じられる圧巻のCGクオリティと演出力は流石!蛍の光とか美しくて幻想的ですごく良かった!
劇伴音楽もGOOD🎵
マイケル・ダナ&ジェフ・ダナという方が担当しているようですが、牧歌的かつフォーキーな音楽が映画の雰囲気にマッチしていて素晴らしい。
…音楽と映像は素晴らしいです。
でもそれ以外の所は…。
親と子の絆の描き方はディズニーの名作『ライオン・キング』(1994)の焼き直しであり、その出来はただのコピーの域を超えていない。
スポットが何故アーロに懐いたのかもよくわからなかった。
アーロがスポットに憎しみを抱く理由は分かります。逆恨みだとしても、そこに感情をぶつけるしかないアーロの心情は痛いほど理解出来る。
その感情を乗り越えるのがドラマのはずなのに、特に理由もなく二人が仲良くなってるのが違和感だし、盛り上げられる所なのにもったいないと思ってしまう。
家族の絆をテーマにしているのはわかるが、スポットが迎えるラストの展開はいただけない。
結局同種族の絆が大事なんかい!∑(゚Д゚)
ぽっと出てきた原始人家族と一緒に行くのは物語の流れ的におかしくないか?別に彼らと血縁関係あるわけでもないし。
正直いってこの映画、根本的に退屈なんです。
ドラマ性が薄いし、登場キャラクターも少ないので盛り上がらない。絶対的なヴィランもいないし。
唯一面白かったのは木ノ実を食ってラリっちゃう所かな?ディズニーでそういうギャグはOKなんだと、結構びっくりしちゃいました。
日本語吹き替え版で鑑賞しましたが、正直この映画の日本語吹き替えはイマイチ。
主人公のビジュアルとあの少年声がマッチしてなくて映画に入り込めなかった。
あと、日本語吹き替え版エンディングテーマがkiroroの「ベスト・フレンド」だったのは最悪。ミスマッチ過ぎて笑っちゃった。
恐怖から目を背けずに乗り越えろというメッセージや家族の絆というテーマは素晴らしいし、ストーリーもいい話です。
でも、エンターテイメントとして面白い映画かと言われると…。
全て観ている訳ではありませんが、2010年以降のピクサー作品は『リメンバー・ミー』(2017)以外は軒並み退屈。本作も例外ではありませんでした😞
リメンバー・ミーはピクサーの中で一番好きです。映像のクオリティだけでなく、退屈しないストーリーでしたね。
確かに本作の設定は何か腑に落ちないとろこがありました。