「開くべき扉は、エルサの周りの人達の心」アナと雪の女王 hatsukariさんの映画レビュー(感想・評価)
開くべき扉は、エルサの周りの人達の心
良かったところ…
①エルサの苦悩〜『let it go』につながる一連の流れ
『陛下、お顔の色が…』って心配してくれたおばさんの顔色が一瞬にして恐怖に代わって逃げ出してゆくのには、泣けた…。エルサ…。
② 3Dだと舞い散る雪がとってもキレイ!
自分としては、良かったのはそのくらいでした…。他の歌はあんまり印象に残らなかったなあ…。
兎にも角にも、脚本がイマイチな上に、キャラクターに魅力をに感じられませんでした。
ハンス王子とクリストファーと、男2人も要らないよ!あれじゃあアナはただの軽い女だよ…。
アナがちょっと、頭悪い、というか、姉に対する思いやりや想像力がなさすぎて、どうしてクリストファーに惚れられるのか?理解し難いです…。
マスコットのオラフも、私はイマイチかわいいと思えず…。トナカイ、ドワーフは言うに及ばず、可愛くない。こいつら出てこなくても話つながりますし…。
ハンス王子が悪役になってしまうせいで、全てが単純に、何の悩みもなく、片付いてしまう…。
魔法の力を持ちながらも、その為に苦しみ続けたエルサのキャラクターが良かっただけに、他が残念すぎる…。
『真実の愛』のドタバタの下りも、アナが尻軽に見えて、愛って随分インスタントなんだな…。と感じてしまいました。わずかの間に男二人と『真実の愛云々…』って、あんまり共感できません…。
ハンス王子とクリストファーと、二人も男を出さなくても、『アナを心から愛しているからこそ、アナと国民を傷つけるエルサを倒さなければならない』とか、そういう苦悩する王子キャラにしたってお話作れると思うのですが…。(ハンスとクリストファーのいいとこどりで…。)
オラフも、溶ける事で無償の愛を体現するキャラなのかなー?と思いきや、いまひとつ活躍したような、しないような…?ですし。
一番、なんだかなあ…。と思うのは、『真実の愛』が最後のアレだけ??というところです。
エルサは十数年も悩み続けたのに、アナは、なぜエルサが人を遠ざけたのか?(=アナや周りの人を守るため)独りでずっと孤独と恐怖に絶えていた、その理由さえも理解しないで、大団円なのかい?それでいいの!?とツッコミ入れたくなってしまいます。
『真実の愛』というならば、なぜ姉が心を閉ざしたのか?(=アナを守るため!)アナももっとよく考えて、エルサを理解しようとして欲しかったなあ…。
心を閉ざした理由も考えず、ただ『私達たった二人の姉妹なのよ!心を開いて!』と叫ぶアナに共感できないー。
『愛は開かれた扉』という歌がありましたが、本当に開くべきは、エルサの心だけじゃない。エルサを『怪物』と罵った周りの人達の心の扉の方がずっと重いはず。
アナが、時間をかけて、コツコツ努力して、エルサを受け入れるように、国の人々の心の扉を開く…、そういう展開だったら、それこそ、『真実の愛』だと思えたのですが…。
物語を単純にするため?ハンス王子が安易に悪者になったせいで、いつの間にか国民は手のひら返して『女王バンザーイ』で、ええ?それだけ?って感じで、残念至極です。
きっと脚本がよければ、もっともっと、切なく美しいお話になっただろうにー。
最後に…デンデンッデデン というドラムの響きが『タイタニック』が氷山にぶつかる時の音楽と似てるなーと思いました。
あと、クリストファーがプルシェンコに似てるなーと思いながら見てました。
とにかく脚本が残念!