「ソーにはコミカルさの方が似合う」マイティ・ソー ダーク・ワールド つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
ソーにはコミカルさの方が似合う
きっかけはごく単純なことだった。「アベンジャーズ/エンドゲーム、めっちゃ面白かったよ!」と周囲に吹聴していたところ、「なら22本観てみようかな」という御仁が現れたのである。
これを聞いて私は焦った。何故なら、「マイティ・ソー/ダークワールド」を観ていなかったのだ!
楽しそうに観た作品について語る御仁の傍らで、私の焦りは頂点に達した。「ヤバい、このままでは話についていけない…!」
とまあ、こんな事があって今作品を観ることにした訳だ。レビューを書く前は、すっとぼけて単体の作品の事を書こうと思っていたが、どうしても全体的な事を考えてしまうので仕方ない。
「ダークワールド」の一番の見所は「惑星直列」による豪快なアクションシーンだと思う。ユグドラシル世界観に基づく「9つの世界」を縦横無尽に駆け巡る様は、マイティ・ソーでしかあり得ない。
作品の主眼は全て「9つの世界」が直列になることにリンクしていて、最初から最後までこの事が中心となって組み立てられている。結構面白い趣向だ。
アベンジャーズ総括としては、前作でやっとムジョルニアに相応しい人物と認められたソーが、新たに痛みを克服し、もう一段階成長する話だった。一人前とは言え、まだまだ様々な庇護の元に置かれていたアズガルドの「王子」が、1人の人間として己の大切なものを選び取り、独り立ちする。
でも、単体の作品としてはやっぱりパンチが弱いよね。どちらかと言えば、出番の少なかったロキやセルヴィグ博士の方が印象的だったかな?
話を回してたのもその二人だったしね。
「9つの世界」という世界観はソーにしかない面白みだと思うので、地球で闘うソーよりも、異世界を冒険するソーの方が観たいかな。