劇場公開日 2014年2月1日

  • 予告編を見る

「アベンジャーズシリーズはかなり好きなんだけども」マイティ・ソー ダーク・ワールド alalaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5アベンジャーズシリーズはかなり好きなんだけども

2020年1月21日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

単純

興奮

萌える

単独主演の方は、いつも☆4以上付けたいなーと思いつつ、あまり付けられた試しがない。何でなのかなー。
ここから今作と関係ないアメコミ語りという最悪なレビューなので、手っ取り早く今作の感想だけ読みたい方は、以下の長い3段落を飛ばしてください。今作のレビューは一番下から5段落目から。

自分は『アベンジャーズ エンドゲーム』で初めてアベンジャーズシリーズの存在を知るという、情弱もへそで茶を沸かすレベルの情弱なんですが(改めて書くと本当に酷いな)、シリーズもの…というかMCU関連と知らずに『アベンジャーズ』『キャプテン・アメリカ ウインターソルジャー』『アントマン』『ブラック・パンサー』は見ていて、ここまで見ておいてこれらが繋がっていることすら気付かないという鈍さを発揮していました(でも念のため言っておくと『アントマン』を見た時ラストにちょこっとファルコン出てきて「あれ?この人見たことある」とは思いました。気付きました。だから何だ)。
『エンドゲーム』を観に行く前に慌てて見たのが『アベンジャーズ』『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』『アイアンマン』で、観た後『キャプテン・アメリカ ファーストアベンジャー』『マイティ・ソー』をDVDで見たんですが…うーん、どうも記憶に残らないんですよね。
やはりアベンジャーズシリーズの方が画面上が派手なのもあるのかもしれませんが…思うに、アベンジャーズシリーズはキャラクターの個々のバランスがうまく取れている稀有な作品だったせいもあるのかなと。

20年くらい前まで、日本ではアメコミといえばDC作品(スーパーマンやバットマン等)の方が圧倒的に優勢で、MCUなんて「アイアンマン?何それ?」「キャプテン・アメリカ?誰?」って感じだったと思うんですが、この立場が逆転したのはアベンジャーズシリーズが大成功を収めたことが大きかったと思います。そして、DCも同じようにヒーローを集めて悪に立ち向かう『ジャスティス・リーグ』を打ち出しましたが、完敗。
日本では元々「アメコミと日本の漫画は別物」という感じで、アメコミ=ちょっと変わった漫画みたいな扱いでした。もちろんスーパーマンやバットマンなんか大人気でしたが、それでも他の国のように「アメコミ万歳!」にはなりませんでした。何故かというと、日本には元々独自の漫画の文化があり、「皆で力を合わせて悪を倒す」のが主流だったせいと言われています。主人公=ヒーローであることに違いはないのですが、周囲の人々がヒーローを支え、時にヒーローを成長させ、ヒーローを守ることさえあります。
対するアメコミは「選ばれたヒーローが1人で悪を倒す」のが主流で、ヒーローは孤高の存在であり、力を隠し、泥を被り、最後はひっそりと消えていく悲しい運命に選ばれた特別な人でしかない。アメコミヒーローは、一般に生きる読者たちのような凡人からは程遠い存在です。漫画の中でも、一般人はヒーローを応援したり批難したりするだけで、何もしません。ここが、日本人には「なんでやねん」となるところで、アメコミが日本で主流になるほど流行らなかった理由、また日本の漫画が海外で受け入れられた理由はこれではないかと言われているそうです。
今までヒーローを応援する「その他大勢」でしかなかったアメコミと違い、「凡人の自分でも何かの役に立てるかもしれない」と思わせてくれる日本の漫画が心に響いた、ということだそう。

更に付け加えると、日本人に流行らなかった大きな理由の1つとして個人的に凄く感じるのは、アメコミヒーローはことあるごとに「世界を守る」「平和を守る」と言うんですが、この言葉、凄く抽象的だと思うんですよね。「世界ってどこ?」「平和ってなに?」と。
日本の漫画で多いのは、「家族や友達・仲間を守る」「(自分の)村を守る」と結構具体的で身近なものが戦いに行く理由になっていることが多く、それより広い範囲の「世界」を守るのは、いわば「ついで」です。冒険の途中で出会った仲間を助けて、その仲間の国も通り掛けに助けるとか、あるいは仲間との冒険自体が主体で、何か達成した時にそれを「仲間と共に分かち合う」こと自体が目的とか。
アメコミヒーローは、最初こそ何か理由があって「平和を守る」と決意しますが、その後はただボヤーっと悪い奴が出てきたら倒す、その繰り返し…明確な目的も無し。そこが個人的には物凄く気になるところで、明確な目的ないからいつもアメコミヒーローって暗い感じで終わるんじゃないですかねー!?と声を大にして言いたい。いや、声を大にするほどアメコミに詳しいわけでもないんですが。
バットマンなんて絶対敵を殺さないので、しつこく同じ敵が牢屋ぶち破って出てきますしね。お前もう見飽きたよ!

と、『マイティ・ソー ダークワールド』のレビューなのにアメコミのDisり大会になってまいりましたが、そんなわけで、アベンジャーズシリーズが大成功した稀有な作品なのは、「ハッキリとした最終目標」があり、かつ「キャラクターの能力がバランスよく散っており、きちんと互いの能力を補い合えるような関係性になっている」ことが大きかったように思います。
「何か知らんけど最強の奴らいっぱい集めりゃ勝てるだろw」みたいな適当な考えでは個々の能力や相性を生かしきれず、意外と超大作の映画でも脚本の時点でゴミみたいな出来になってしまうこともあるようです。団体スポーツでもそうですが、相性考えずに強い奴だけ集めたからって、それで勝てるほど甘くはありませんよね。

で、そんな奇跡を起こしたアベンジャーズシリーズと同じMCUなのに、何で単独主演の方はこんなに印象が薄いのか?という話なんですが、これは自分がMCUと意識して観た初めての作品が単独主演ではなくアベンジャーズシリーズの方だったのも影響していると思います。どうしてもアベンジャーズシリーズのクオリティを期待してしまうので…
でも思い返してみると、キャプテンの存在すら知らなかった時に観た『キャプテン・アメリカ ウインター・ソルジャー』は記憶に残っています。ということは、別に単独主演だから派手さがなくて印象に残らないってことではなく、アベンジャーズシリーズと比べて何か致命的な欠陥がある作品が多いんでしょうね、単独主演の方が。もちろん会社側も、力の入り具合からして違うんでしょうけど。

ダークワールドのレビューページなのでダークワールドに関して言うと、今作もやはり上に書いた通りの「アメコミの王道」を基本にしていて、主人公のソーを中心に、周りは賑やかし程度…うーん、そこまで酷くはないが、やはり基本は「無力なヒロイン」「主人公がリーダー、仲間はついていくだけ」で、ヒロインや仲間たちがどんなに頑張ったところで「主人公を輝かせるための道具」感が拭えません。
ヒロインは頭脳戦というか、弱くて戦闘で役に立たない代わりに頭を使ってちょっとサポートはするし、ヒロインの仲間も、ソーの仲間もそこそこよくやっている…ハズ。なんですが、何で???やっぱり、単なる「引き立て役」なんですよね。ソーの仲間とヒロインとの間で一悶着あるかと思いきや何もないし。
恐らくソーとロキの関係に一番スポットを当てたかったのでしょうが、そこに当てすぎちゃったのか?もはや敵すら「誰でしたっけ?」くらい印象に残ってません。ソーとロキが何か悪態吐きながらもキャッキャウフフしてたのを2時間見てた気分。流石にそんなはずないよなぁ…

対して、いたずらっ子(と呼ぶにはやりすぎだが)ロキに関してはとてもよく描かれていたと思います。もしかして今作って、実はロキが主人公?と思うくらいです。まぁ、前作『マイティ・ソー』でも充分ロキがいたずらっ子してましたが…ロキの心の闇にスポットを当てたおかげでアベンジャーズでも「憎めない敵」となり、結果良かったのかもしれませんが、ソー単独主演映画としては、ソーの印象が弱すぎます。ソーは王道のストーリーにして、ロキの悪戯で物語にちょっとしたスパイスを、のつもりだったのかもしれませんが、配分が…ロキに振り切れてる気がします。さては製作者、ロキ好きだな?
正直言って、自分の中で『マイティ・ソー』のストーリーだけでソーとヒロインが惹かれ合った理由が全くわかりませんし(あの程度で好きになるか?)、今作でもそれは継続中。
あの程度の繋がりで何故、2年も待ってられるのか…そこら辺も含め、共感できる部分が少ないせいで余計に印象に残らないのかも。

ヒーローとヒロインがいたら、理由がなくても惹かれ合って当たり前。ヒーローには人望があって当たり前。困難があって当たり前、それを乗り越えて当たり前…物語としては当たり前かもしれませんが、これがあまりにも見え透いているというか、義務的にその設定をなぞっているだけにしか見えなくて、ペラッペラ。まるで屋台骨が丸見え状態のハリボテのよう。なのに何故かロキの設定だけしっかりしている…笑
ロキ役のトム・ヒドルストンの演技が上手かったのは勿論でしょうが、キャラクター設定がソーよりよっぽど作り込まれ、深みがあった気がします。ソーの性格が単純・豪胆なので、これ以上掘り下げられないのか?仕方ないのかなぁ。
実際、あの世界観を作るのにCGは必要不可欠でしょうが、ソーの、というかストーリーの単純さを誤魔化すためにCGを多用しているように見えてしまうくらい単純ストーリー。ロキがここでもちょっとだけスパイスを加えてくるけど(笑)、主役はお前じゃないんや…

他、見どころと言えば主演のクリス・ヘムズワースのどーなっとんねんと思うようなモリモリマッチョな筋肉と、ママっ子ロキのしょんぼり姿くらいかなぁ。あと、中盤でやたらとテンション上げてくるニッコニコのロキと、空飛ぶ舟?みたいなやつで狭い穴抜けた後、ロキのテンション低めの「タラー♪」に家族共々じわじわ来てDVD停めて10分くらい休憩した記憶。ほとんどロキじゃねーか。
敵さんに関してはほとんど記憶がありません…何で喧嘩になったんだっけ?(アホ)

ロキに存分に笑わせてもらった分と、10秒もない出演でもちゃんとロキのアクセントで、ロキがふざけて変身してるキャプテン・アメリカを演じてくれたクリス・エヴァンスへの尊敬の念を込めて☆1つ追加!
決してつまらない作品ではなかったんですが…オマケ追加して☆3.5ってひっどいな…

alala
たなかなかなかさんのコメント
2020年6月26日

alala様
コメントありがとうございます😊
本当にロキしか印象に残らない作品でしたよね💦

確かにクリス・ヘムズワースのムキムキ筋肉は素晴らしかったです💪
彼の裸が一番の見所かも!?

たなかなかなか