「原題が作品を表している」ウォルト・ディズニーの約束 熊谷さんの映画レビュー(感想・評価)
原題が作品を表している
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原題は『Saving Mr. Banks』(バンクス氏を救え)
メリーポピンズは原作・映画共に未見だが、充分堪能できる内容。むしろ、“ディズニー”や“制作秘話”というフィルターを外して観たほうが楽しめるかもしれない(自分は中盤から泣きっぱなしだった)。
父親の弱さに気付きながらも敬愛し、母親の苦悩もどこか理解している娘時代がとにかく切ない。大人になっても一途に不器用に想い続けるトラヴァース夫人もいじらしく胸が詰まる。
事情を知らずとも彼女の心に寄り添う運転手ラルフが秀逸。
現実では叶わなかった彼女の父(=バンクス氏)の幸せを、物語の中で叶えようというディズニーの心意気も素敵だ。
完成の映画を観て涙する彼女は本当に美しい。父親が救われたことが彼女自身の救いにもなった瞬間だった。
エマ・トンプソン、トムハンクスをはじめ俳優陣も手堅く名演。
楽曲も耳馴染みがよく、ぜひメリーポピンズを見たくなった。
邦題がピント外れで残念だったので、-0.5で。
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